ウクライナ・マリウポリ 町郊外の一部をロシア軍が占拠
ウクライナ政府は12日、ロシア軍に包囲され1500人以上の民間人が死亡している南東部マリウポリで、町の郊外の一部がロシア軍に占拠されたと発表しました。
砲撃によって大きく損壊する建物。地上では激しい銃撃戦が繰り広げられています。
ウクライナ南東部の港湾都市マリウポリは、今月1日からロシア軍に包囲され激しい攻撃にさらされています。抵抗を続けてきたウクライナ軍ですが、12日町の東側の郊外をロシア軍に占拠されたと発表しました。
現地では絶え間ない攻撃で、いわゆる『人道回廊』も機能せず、避難を希望するおよそ20万人が町から脱出できていません。
クレバ外相「(ロシアは)町を空爆で粉砕し戦意を喪失させ、地上部隊で侵攻し都市を“浄化”しようとしている」
連日支援物資を届ける試みが続けられていますが、ロシア軍の妨害などでほとんどが到達できずにいて、水や食糧のほか医薬品の不足も深刻化しています。
地元当局によりますと、マリウポリではすでに1500人以上の民間人が死亡していますが、ロシア軍が町の中心部に侵攻すればさらに大勢の死者が出るとも言われています。
停戦に向けた協議が難航する中、ウクライナのゼレンスキー大統領は12日、ロシアとの仲介を申し出ているイスラエルのベネット首相に対し、エルサレムで協議の場を設けるよう提案したことを明らかにしました。
一方、ロシアのプーチン大統領は12日、フランスのマクロン大統領とドイツのショルツ首相と電話での3者会談にのぞみました。
会談は1時間あまり行われましたが、フランス大統領府によりますと、プーチン大統領はウクライナが民間人を『人間の盾』にしていると非難し、戦争をやめる意思を示さなかったということです。