香港・民主派議員資格剥奪へ中国政府の判断
香港政府は11日、香港の議会にあたる立法会の民主派議員4人の議員資格を剥奪すると発表しました。中国政府が示した新たな決定により剥奪されたもので「一国二制度」の形骸化がいっそう鮮明になっています。
中国の国会にあたる全人代(=全国人民代表大会)の常務委員会は11日、香港の基本法や国家安全維持法などに基づき、立法会の議員が「中国が香港に対して主権を行使することを拒否した場合」などに議員資格を剥奪されるとする決議案を採択しました。
これを受けて、香港政府は民主派議員4人の議員資格が直ちに失われると発表しました。その後、この4人を含む民主派議員ら19人が会見を行い、抗議のために集団で辞職すると表明しました。議員らは「法律に基づけば政府を監督し、市民の意見を反映する議員の資格を剥奪することはできない」と香港政府を批判しました。今後、立法会の大半を中国寄りの親中派が占めることになります。
今回の決定は、香港の民意で選ばれた議員の資格が中国政府の判断によって剥奪される事態で、高度な自治が保証される一国二制度は、よりいっそう、骨抜きになっています。