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野口さんクルードラゴンへ…家族らに挨拶

2020年11月16日 6:31

アメリカのスペースX社が開発した新型宇宙船「クルードラゴン」の1号機が宇宙へ飛び立とうとしています。宇宙飛行士の野口聡一さんたちが姿を現し、地球での最後の挨拶をするために家族の前に立ちました。

日本時間の16日午前6時すぎ、白い最新鋭の宇宙服着た野口さんたち4人の宇宙飛行士が、宇宙船に乗り込む前の最終段階の準備を行う施設から姿を現しました。野口さんはこの日の現地時間午前11時42分に起床して、日本風のカツカレーを食べたと聞いています。

野口さんはご家族と対面し、打ち上げ前としては最後となる家族との時間を過ごしました。そして、テスラ車の電気自動車に乗り込み、これから発射台で待つ新型宇宙船クルードラゴンへと向かいました。

映像は、野口さんたち4人の宇宙飛行士を乗せたテスラ社の車がロケット発射台に移動しているところです。このあと野口さんが乗り込む宇宙船・クルードラゴンの最大の特徴は、民間企業による新型の宇宙船という点です。

アメリカの宇宙開発は政府機関であるNASAが長らく担ってきましたが、近年、民間企業の力を活用しコストダウンを計りながら次世代の宇宙開発を進めています。

2014年にNASAは、ISS(=国際宇宙ステーション)に宇宙飛行士を運ぶ宇宙船の開発を、アメリカの民間企業に依頼しました。その一つが電気自動車テスラで知られるイーロン・マスクCEOが立ち上げた新進気鋭の宇宙企業「スペースX」です。クルードラゴンは、そのスペースX社が開発した新型宇宙船です。

5月に2人の宇宙飛行士を乗せて国際宇宙ステーションへのテスト運行を果たしていて、このテスト飛行は史上初の「民間宇宙船による有人宇宙飛行」として話題になりました。

また、スペースシャトルの引退から9年ぶりの「アメリカの手によるアメリカ本土からのアメリカ人宇宙飛行士の打ち上げ」として、その成功に多くのアメリカ人が注目もしました。

今回は、そのクルードラゴンの運用1号機になります。

間もなく現地は日没の時刻を迎え、暗闇の中でのロケット打ち上げになります。打ち上げの予定時刻は日本時間の午前9時27分です。