イスラエル軍、シファ病院からの退避呼びかけ 具体的な避難経路も
イスラエル軍は12日、ハマスの司令部があるとして攻勢を強めているパレスチナ自治区ガザ市にあるシファ病院について、具体的な避難経路を示し、退避を呼びかけました。
パレスチナ自治区ガザ地区で最大の医療機関・シファ病院は、燃料が切れ機能を停止したと伝えられていて、WHO(=世界保健機関)は12日、病院と連絡がとれなくなったと発表しました。さらに、「逃げようとした一部の人が銃撃されたという複数の報告もある」としています。
これに対し、イスラエル軍は攻撃も包囲も否定していて、12日には、シファ病院から南部に続く道への安全な避難経路を示して、退避を呼びかけました。
イスラエル軍は、シファ病院の地下にハマスの司令部があるとしていて、今後、本格的な攻撃に踏み切るのかが焦点です。
こうした中、燃料切れにより電源を失ったガザ地区の別の病院では、医師らが手動の蘇生装置を使って、乳児の救命措置を行っています。
この乳児は一命を取り留めたということですが、ガザ市の主要病院が相次いで機能を停止し、現地の医療状況は日増しに悪化しています。
イスラエル軍は、前日に続き12日も北部のジャバリア難民キャンプなど一部地域で、人道目的のため4時間、軍事作戦を一時停止すると発表しました。「南部への避難と物資の供給のため」としています。