香港から台湾への密航の罪に問われた香港の民主活動家らに対し中国の裁判所は３０日、懲役３年などの実刑判決を言い渡しました。

判決を受けたのは、香港の民主活動家・李宇軒氏ら１０人です。李氏らは今年８月、香港国家安全維持法違反の容疑で逮捕され、その保釈期間中に船で台湾へ密航しようとしたところ、中国当局に拘束され、密航の罪などに問われています。

中国・広東省の裁判所は３０日、密航を計画したとされる民主活動家に懲役３年、李氏には懲役７か月など、１０人に実刑判決を言い渡しました。一方、一緒に密航しようとした未成年の２人は不起訴となり香港への移送が決まりました。

現在、新型コロナウイルスの影響で香港から中国本土に行くには１４日間の強制隔離が義務づけられていますが、この裁判は直前に決まったため香港に住む被告の家族や支援者が、裁判所に行くことが出来ませんでした。

また、裁判を傍聴しようとした中国駐在のアメリカやイギリスの大使館職員は満席を理由に傍聴を断られていました。家族らは「公正な裁判が開かれていない」などと抗議しています。