アイルランドのバラッカー首相が20日、辞意を表明しました。人工妊娠中絶を合法化するなどして注目され、「この国をより平等で近代的な場所にした」と強調しましたが、辞任の理由については明らかにしていません。

バラッカー首相は2017年、アイルランド史上最年少の38歳で首相に就任しました。その後、2020年に連立政権のもとで副首相になり、2022年に首相に復帰しました。

アイルランドはカトリック教徒が多数派を占め、保守的な国とされていますが、バラッカー首相は自らが同性愛者であることを公表し、女性や性的マイノリティーの権利拡大を進めてきました。2018年には人工妊娠中絶を合法化して注目され、「子どもの権利やLGBT、女性について、この国をより平等で近代的な場所にしたことを誇りに思う」と実績を強調しました。

一方で、辞任の理由については「個人的なものと政治的なものがある」とだけ述べ、詳細は明かしませんでした。

イギリスメディアは、今月8日に行われた女性の家庭における役割や結婚のあり方などをめぐる憲法改正の国民投票で、政府案が否決されたことも辞任の理由の一つではないかと伝えています。