ミャンマー 中印など味方つけ圧力かわすか
ミャンマーのクーデターについて国際社会からの非難の声が高まる中、専門家は軍が今後、中国やインドなどを味方につけ圧力をかわすと分析しています。
上智大学の根本敬教授は、今回のクーデターの原因はアウン・サン・スー・チー氏の与党が、去年の総選挙で圧勝したことで軍が、政治的影響力を失うことに強い危機感を抱いたためだと語りました。
根本敬教授「(国軍は)スー・チー政権がさらにもう5年、力強めて政権を担当することに恐怖心抱き、追い詰められていた。議会が始まる日の直前を狙った。関係者が全員(首都)ネピドーに集まるので、一網打尽にしやすい」
軍が行うとしている総選挙まで、スー・チー氏の自宅軟禁は続くとみています。欧米諸国を中心に非難が高まっていますが、根本教授はこうした反応は織り込み済みだったという見方を示しました。
根本敬教授「EUやアメリカ、カナダいわゆる北米の国々、日本が批判や非難を強めたとしても、決定的な影響力・打撃は受けないと軍が解釈した」
根本教授は、軍が今後、ミャンマーへの影響力を保ちたい中国やインド、東南アジア諸国連合を味方に引き入れながら、軍に有利な形で総選挙をするための準備を進めると分析しています。
ミャンマー情勢をめぐっては2日、国連安全保障理事会の緊急会合が開かれますが、中国外務省の報道官は「国際社会の行動が対立の激化や情勢の複雑化につながることは避けるべきだ」と述べています。