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中国で黙殺される“性被害” SNS投稿も次々に削除され…実態を取材

2024年3月23日 18:38
中国で黙殺される“性被害” SNS投稿も次々に削除され…実態を取材
中国では性暴力の被害者も当局の圧力で思うように声をあげられない状況があるといいます。実態を取材しました。

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今月8日。「国際女性デー」のこの日、渋谷の街中に多くの女性が集まりました。

「私の身体はわたしのもの!」

掲げるプラカードには女性の権利や悩みを訴えるメッセージが書かれています。

なかには中国語のメッセージを掲げる人たちも。

福建省出身の海月さん(仮名)。4年前、日本に来ました。

海月さん「中国にいるとデモ出来ないからね」

以前、中国の農村地帯の小学校で性教育のボランティアをしていた海月さん。そこで児童への性被害がはびこる現状を目にしました。

海月さん「(ある女児は)家のおじいさんに嫌なことされたって。農村地域では性暴力は隠すべきこと。隠されるから、だからやっちゃても大丈夫みたいな」

性被害の声すら上げられない故郷に失望し、国を離れた海月さん。

海月さん「中国じゃ私がやりたいことはもうできない。私が帰れる国はないですよ…私が帰れる中国はないですよ」

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性被害を訴えることが難しいという中国。2年前に性被害を告訴した女性がいます。周暁璇さん。彼女は大学生の頃にインターン先のテレビ局で男性司会者から、性暴力を受けたといいます。

しかし、1審・2審ともに「性暴力の物証がなく証拠は不十分」として、周さんの訴えは認められませんでした。

判決から2年。私たちは周さんに会いに行きました。

2年前の判決時とくらべ、やつれたように見える周さん。体重も減り、体調がすぐれない日が続いているといいます。

周さんの部屋の隅には今も裁判資料が置かれています。

周暁璇さん「これがあの日着てた衣服の絵よ」

性暴力を受けた10年前のあの日…周さんは、意を決して翌日、警察に届け出ました。しかし捜査どころか警察は被害届を取り下げるよう圧力をかけたと言います。

周暁璇さん「警察は『このことは外に話すな。多くのファンが彼(性加害者)を好きで、彼は中国の正義だ。もうこの話をするな』と」

周さんの支援者が裁判所前に集まった際には、徹底的に排除され、周さんを支持するSNSの投稿も次々に削除されました。

周暁璇さん「国内メディアはこの件に関してどんな報道もできなくなっていた。でも一番恐ろしいのは、性被害を訴えたことを世間に批判され、その悩みすら口にできない状況です」

周さんに判決を言い渡した裁判長は「これを機に、自分の新しい人生を見つけなさい」という言葉で締めくくったといいます。

自分が傷ついたことを相手にわかってほしいと思い告訴した周さん。その訴えは、いまも届かないままです。

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