【単独取材】ゼレンスキー大統領の「最側近」…プーチン氏の求心力“弱まっている” プリゴジンの乱を分析
ウクライナ大統領府のポドリャク顧問が今月1日、NNNの単独取材に応じました。
去年2月の侵攻開始時、「ポドリャクも私もここにいます」というゼレンスキー大統領の”自撮り”メッセージの隣に映っていた“大統領の最側近”です。そのポドリャク氏は、ロシアの民間軍事会社「ワグネル」の創設者、プリゴジン氏の反乱をどう見ているのか。
ポドリャク顧問
「(反乱は)今のロシアの状況を端的に示しています。ロシアは、長い間欧米諸国や民主主義国で思われたほど強くないのは明らかです」
ワグネルの部隊にロシア南部の軍司令部を占拠され、モスクワまで200キロ地点まで近づくことを許したプリゴジン氏の反乱。プーチン大統領の求心力が弱まっていることが露呈したと、ポドリャク氏は分析します。
ポドリャク顧問
「プーチンはロシア国内での評価を確実に失いました」
「ワグネルがモスクワに向かっていた時、誰もプーチンを擁護しようとしなかった。それどころか、ワグネルを歓迎しました。反乱軍を歓迎したのです」
「誰もプーチン氏を守ろうとしませんでした」
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6月から続く反転攻勢については、時間はかかるものの着実に前進すると強調しました。
ポドリャク顧問
「私たちは第一の防衛線で1~2キロ食いこんで、徐々に前進しています」
「 第一の防衛線、そして第二(の防衛線)を突破する以外、方法はないのです。必ずそうなると、私は楽観します」
ロシアが一方的に併合したクリミア半島を含む、すべての領土の奪還を目指すウクライナ。こうした中、アメリカのワシントンポストは、米CIAのバーンズ長官が先月キーウでゼレンスキー大統領と極秘に会談し、停戦交渉に向けた計画を伝えたと報じました。
その計画では、ウクライナ側が秋までに主要な領土を奪還し、大砲やミサイルシステムを南部・クリミア半島境界まで移動し、東部でも攻勢を強めた上で、年内にロシアと停戦交渉を開始するという内容だったということです。
ポドリャク氏は現時点での停戦交渉はあり得ないと語気を強めました。
ポドリャク顧問
「(停戦になれば)ロシアは戦争に負けたことにもならず、(戦争)犯罪に責任を負うわけでもなく、賠償金を支払うことにもなりません」
「ウクライナはこの戦争を公正な形で終結させたいのです。それは私たちの主権と領土を取り戻し、(ロシアの)罪人を処罰し、今後何年にもわたりロシアが賠償を行うということを意味します」
「世界が安定するのはロシアが敗北し、国内で大きな変化が起こり、ロシアに新たなまともな指導者が生まれる時だけです」
ロシアによる軍事侵攻は、開始から16か月がたち、なお終わりが見えない状況となっています。ウクライナの戦いは続きます。