イラク“コロナ専門”病院で火災 死傷者が
感染が再拡大しているタイのバンコクでは学校などの閉鎖が始まりました。一方、イラクでは新型コロナウイルス患者の専用病院で火災が発生し、およそ200人が死傷しました。海外でのコロナをめぐる最新の動きです。
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■タイ 感染者急増で学校など閉鎖
(タイ感染者 5万7508人
死者 148人
※タイ保健省・26日)
5万7000人以上が感染したタイ。バンコク市内の人通りは非常に少なくなっていて、多くの店がシャッターを閉めています。先月下旬にバンコク市内のナイトクラブでクラスターが発生。
タイ政府によると、これをきっかけに感染が拡大。変異ウイルスも確認されるなど、感染者が再び急増していて、24日、1日の感染者が過去最多の2839人を記録しました。
こうした状況を受け、学校や娯楽施設、マッサージ店など、31種類の施設が26日から14日間閉鎖されることに。
タイの人は「怖いです。これまで以上に怖い。どう予防したらいいかわかりません」「とても大変です。商売がしづらいので早く状況が良くなってほしいです」
また、外出する際のマスクの着用が義務化され、違反した場合は日本円で最大およそ6万8000円の罰金が科されます。
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■イラク コロナ患者の専門病院で火災が
(イラク感染者 103万1322人
死者 1万5257人
※米ジョンズ・ホプキンス大 26日午後5時時点)
感染者数が100万人を超えるイラクでは24日、首都バグダッドの病院で火災が発生しました。
叫び声が飛び交う中、患者を抱きかかえ、走って外へと運び出す男性たち。運び出される患者の中には、酸素マスクをつけたままの女性の姿や、何本もの酸素ボンベを運び出す様子も。
実はこの病院、新型コロナウイルス患者の治療を専門に行う病院で、多くの新型コロナ患者が入院していました。
AP通信によりますと、この火災で少なくとも82人が死亡し、110人がけがをしたということです。火災は集中治療室のあるフロアで発生していて、酸素ボンベの爆発が原因だとみられています。
イラクでは今月21日に1日あたりの新規感染者数が過去最多のおよそ8700人にのぼるなど、感染が急速に拡大し、医療体制のひっ迫が問題となっています。
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■インド 列車の座席をベッドに改造も
(インド感染者 1731万3163人
死者 19万5123人
※米ジョンズ・ホプキンス大 26日午後5時時点)
世界で2番目に多い、1700万人以上の感染者が確認されているインド。連日新規感染者が30万人を超える中、中部の州ではある動きが。
駅に止まっている列車。中を見ると、座席を改造し簡易的なベッドにしています。医療体制がひっ迫する中、感染者のために、地元当局が隔離施設として用意したもので、300人が収容できるといいます。
一方、インド最大の都市、ムンバイではワクチンの接種センターが閉鎖される事態に。センターの前には「ワクチン在庫切れ」の文字が。感染者が急増する中、ワクチン接種も滞るなど厳しい状況が続いています。こうした中、外国からの支援も。
イギリス政府は今月25日、人工呼吸器など600台以上の医療機器の支援を決定。最初の便は27日にも届く予定です。
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■ロシア 苦境続く中、日本航空が羽田~モスクワ直行便就航
(ロシア感染者 477万1372人
死者 10万8588人
※露コロナウイルス対策本部 26日)
世界5番目となる、470万人以上が感染しているロシア。モスクワ郊外の空港に到着したのは、日本航空の機体。新型コロナウイルス感染拡大で航空業界の苦境が続く中、23日、日本航空の羽田とモスクワ・シェレメチェボ空港を結ぶ直行の定期便がスタートしました。
もともと去年3月に運航が始まるはずだったこの路線。新型コロナウイルスの影響で就航は延期に。直行便ではなく、フィンランドを経由する臨時便としての運航を余儀なくされてきましたが、ようやく直行の定期便としての運航が始まったのです。
羽田へ向かう客「(定期の直行便で)だいぶ楽になりました。家族にとっても帰りやすくなるので良かったと思います」
このおよそ2週間前。行われていたのは、機内食の最終チェック。行き来ができないため、東京とはオンラインでつないで行われます。
盛り付けの仕方や、材料の変更を調理の担当者に指示。直前まで入念な準備を重ね、ようやく迎えた運航開始。当面は週に1往復での運航となります。
日本航空モスクワ支店・児玉武支店長「きょうは本当にこの日を実現できて感無量の一言です。本来は毎日運航する予定でしたので。なんとか早めに少しずつでも増便したい」