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ハワイ・マウイ島山火事…なぜ被害拡大? 「電柱」「電線」の問題とは “責任は電力会社に”訴訟も

2023年8月15日 6:10

ハワイ・マウイ島で起きた大規模な山火事による死者は、日本時間14日午後11時過ぎの時点で96人にのぼっています。今回なぜ、これだけ被害が広がったのでしょうか。今、指摘されはじめているのが、「電柱」と「電線」に関する問題です。

■「突風で約30本の電柱が倒れ避難を妨げた」多くは丸太で…

有働由美子キャスター
「今回、怖いのは山火事から始まって街でこれだけ被害が広がったことです。『危険を知らせるサイレンが鳴らなかった』と言われています」

小野高弘・日本テレビ解説委員国際部デスク
「そして今、『電柱』と『電線』に関する問題も指摘されはじめています」

有働キャスター
「『電柱』とは何でしょうか?」

小野解説委員
「道路わきの電柱が倒れて、道をふさいだのです。地元市長は『激しい突風で約30本の電柱が倒れ、避難を妨げた』と言っています。車で逃げようとしても進めず、逃げ遅れが出た可能性もあるわけです」

有働キャスター
「突風とはいえ、30本もの電柱が倒れるものでしょうか?」

小野解説委員
「そう思いますよね。アメリカメディアによると、マウイ島の多くの電柱は古い木の丸太だといいます。コンクリート製より弱く、さらに、多くが断熱処理もされていないということです」

有働キャスター
「それで火事にも、突風にも弱いということだったんですね」

■5年前にカリフォルニアで発生した火事 「今回も同じでは…」

有働キャスター
「『電線』というのは?」

小野解説委員
「2018年、カリフォルニア州で火事が発生し、85人の死者が出ました。原因は電線だったのです。高圧の電線が損傷して地面に落下して、火が起きました。『今回も同じではないか』というのです。街には頭上に電線が張り巡らされていますが、突風によって切れたり、樹木が倒れてきたりして、電線から火花が散ってさらなる火事につながったとの見方があります」

「その対策はあります。実はアメリカ各地では、危険な強風の際にはあらかじめ通電を止める、計画停電すると決めているところもあるのです。しかし、今回はそうした措置は取られていなかったということです。そのため、『火事の責任は電力会社にある』として、早くも法律事務所が訴訟を起こす事態にもなっています」

有働キャスター
「原因究明も大切ですし、支援もすでに始まっていますが、まずは安否がわからない人たちの無事が一刻も早くわかればと思います」

(8月14日放送『news zero』より)