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一強体制さらに 習近平政権の新たな最高指導部が発足

2022年10月24日 1:03
一強体制さらに 習近平政権の新たな最高指導部が発足

中国で23日、習近平政権の3期目となる新たな最高指導部が発足しました。権力の中枢を自身の側近で固め、「一強体制」がさらに加速することになります。

習近平国家主席「次の100年奮闘目標へ突き進み、中国式現代化で中華民族の偉大な復興を推し進める」

異例の3期目入りを果たした習主席。世界中のメディアを前に党内での地位を不動のものにした余裕も感じさせました。

注目された最高指導部の人事は、予想を超えるほどの“習カラー”一色となりました。上海市トップの李強氏は、ロックダウンの際に混乱を招き指導部入りは危ういとの指摘も。また、習主席の視察や外遊のほとんどに同行し、腹心とされる丁薛祥氏は、地方トップの経験がないことが弱点ともみられていました。

しかし、フタを開けてみれば、この2人を含む習主席の“子飼い”ともいえる側近たちが次々と引き上げられ、同時に、習主席と距離のある人物は一掃されるかたちとなりました。

中国共産党大会での退席が波紋を広げた胡錦濤氏らに近い胡春華副首相は、次のリーダー候補の一人とも言われてきましたが、今回、最高指導部どころか、その下の政治局委員にも選ばれず、異例の降格といえます。

中枢を側近や腹心で固めた習主席。今後は、自身がこだわる台湾統一などをめぐり、各国とのあつれきが深まる可能性があります。

まさに習近平“一強体制”が鮮明になった新指導部。ブレーキ役が不在となった今後の中国の行方に懸念が残りそうです。