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【記者解説】中国共産党新指導部お披露目 メンバーの顔ぶれは…2つのポイント

2022年10月23日 14:43
【記者解説】中国共産党新指導部お披露目 メンバーの顔ぶれは…2つのポイント

中国共産党の新しい最高指導部のメンバーが決定しました。今回の新指導部について、北京から富田徹記者の報告です。

まず新しい最高指導部の顔ぶれを改めてまとめますが、序列トップは習近平国家主席異例となる3期目続投です。

2番目の序列には現在、上海市トップを務める李強氏。今年春、上海がロックダウンした際には、住民から直接不満を訴えられる動画が出回り、出世レースから外れたともみられていましたが、習主席との近さもあり抜擢されました。

序列3位は、現在、党幹部の汚職などを摘発する司令塔を務める趙楽際氏です。

序列4位は、現在、中央書記局の書記を務める王滬寧氏です。王氏は習主席とそれ以前2代の国家主席の政策ブレーンのような役割を果たしてきました。

序列5位は、現在、北京市トップを務める蔡奇氏が新たに入りました。北京冬季オリンピックの時には開会式で習主席を礼賛する挨拶をしました。

序列6位は、現在、官房長官のような役割を務める丁薛祥氏が新たに入りました。習主席の地方視察にも影のように従う側近中の側近です。

序列7位には、現在、広東省トップを務める李希氏が新たに入りました。幹部などの汚職を摘発する司令塔への就任が有力視されています。

この中から李克強氏の後任となる首相や日本の衆議院議長に相当する全国人民代表大会の常務委員長などが選ばれる見通しです。

そして、新しい最高指導部のメンバーの特徴ですが、2つポイントがあります。

一つ目は習近平主席に近い人たちで占められている点です。新たに起用されたメンバーらはいずれも、習主席が地方で勤務していた頃の部下や関係の近さが指摘されているいわゆる習近平派と言える人たちです。

一方で、習主席とは政策の違いが指摘されていた李克強首相が外れ、さらに李克強首相や胡錦濤前国家主席に近い胡春華副首相は今回、最高指導部入りを逃しました。

これまでは、こうした習近平派とはみられていない人たちを最高指導部に入れることで、表向きでもバランスを取る人事が行われてきましたが、今回は一掃されました。3期目政権は習主席が自らの思い通りに動かせる真の一強体制をつくることを最優先にしたということが言えそうです。

もう一つは目立った後継者が今回も見当たらないことです。中国では最高指導部のメンバーから次のリーダーが選ばれることが慣例なので、後継候補は若くして最高指導部に入ってきました。

例えば、習近平国家主席は54歳の時に、胡錦濤前国家主席は49歳の時に最高指導部入りを果たしています。しかし、今回は全員が60歳以上で、5年後の党大会で習氏に取って代わりそうな人は見当たりません。つまり、習主席が今後5年だけでなく、今後10年、4期目続投も視野に入れているのではと考えられるわけです。

このように習主席のワンマン体制による長期政権時代の到来を予感させる新指導部の船出となりました。ただ、ブレーキ役が姿を消し、イエスマンだけが中枢に置かれたことで、政策が偏って一つの方向に突き進む危険をはらんでいるとも言えます。

習主席が強いこだわりを見せるゼロコロナ政策や台湾統一で、強権的に突き進むことで中国経済の停滞が長引いたり、日本を含む国際社会との緊張が高まる恐れがあります。