李首相外れる 習主席「最高指導部」刷新へ
中国共産党大会が閉幕し、異例の3期目入りが確実となった習近平国家主席の新体制が23日に決まります。最高指導部からは李克強首相が外れるなど、大幅な人事刷新が行われる見通しです。
習近平国家主席「我々には新時代において、世界が目を見張るほどの大きな奇跡を生み出す自信と能力が完全に備わっている」
習主席は今回、党規約の改正にあたり、自らの地位と思想を確立する「二つの確立」への忠誠を求め、改正案は全会一致で承認されました。
また、台湾の武力統一も辞さないとする習主席の意向に沿うかたちで、「台湾独立に断固反対し、食い止める」という、これまでにない強い言葉も盛り込まれることになりました。
「習一強」体制が一段と鮮明になった今回の党大会ですが、終盤、異例の出来事がありました。
突然、退席を促され、拒むようなしぐさもみせた胡錦濤・前国家主席。去り際、習主席に声をかけた後、李克強首相の肩をたたいて会場を後にしました。理由はわかりませんが、途中退席は異例のことで、人事と絡んで憶測を呼んでいます。
新たな党中央委員に習主席が残り、3期目入りが固まるなか、習主席と距離があるとされてきた李首相は中央委員に選ばれず、最高指導部を外れることになりました。
李首相は、習主席を讃える読み上げが続く中、終始、遠くを見るような様子も目立ちました。
また、李首相と同じ出身母体の汪洋副首相も外れることになり、今回、最高指導部は4人が退任する大幅な入れ替えが行われます。ここに、習主席がどれだけ側近を登用するのかが、人事の最大の焦点です。
新たな最高指導部の人事を経て、習主席が今後どれだけ権力集中を進めるのか注目されます。