韓国前総長“疑惑ファイル”政治工作と反論
来年行われる韓国の大統領選挙への出馬が有力視されている尹錫悦(ユン・ソギョル)前検事総長について、家族らの疑惑を記した“Xファイル”の存在が取りざたされています。尹氏側は「出所不明の怪文書による政治工作」などと反論しています。
●前検事総長疑惑の“Xファイル”
前検事総長の尹錫悦氏をめぐり、19日に野党系の政治評論家が尹氏と家族の疑惑をまとめた“Xファイル”が存在すると明らかにし、その後、韓国メディアが連日報道しています。尹氏の合流に期待する野党『国民の力』は「与党の政治工作」と主張。一方、与党『共に民主党』は「提起したのは野党陣営」と反論するなど、与野党を巻き込んでの議論になっていました。
この“Xファイル”について22日、尹氏が立場を表明しました。尹氏は報道官を通じたコメントで、「出所不明の怪文書で政治工作をせずに、内容や根拠を公開するよう願う」と発表。その上で、「公的機関と執権与党が介入して作成したならば、明白な違法調査だ」とけん制しました。また、“Xファイル”に含まれるとみられる家族の疑惑については、「一切関与したことがない」と説明しています。
尹氏の陣営は早ければ6月末に「政治参加宣言」をするとだけ明らかにし、まだ正式に出馬表明をしていませんが、早くも候補者として“洗礼”を受けている形です。
●与野党で出馬の動き続々と
一方、与党系では丁世均(チョン・セギュン)前首相ら5人がすでに出馬を表明したほか、李在明(イ・ジェミョン)京畿道知事、李洛淵(イ・ナギョン)元首相、秋美愛(チュ・ミエ)前法相らも近く出馬を表明するとみられています。
候補者が乏しいと言われていた野党系では、尹氏に加え河泰慶(ハ・テギョン)議員が出馬の意向を示しているほか、監査院長を務めている崔在亨(チェ・ジェヒョン)氏の出馬も取りざたされています。
21日に発表された韓国・社会世論研究所(KSOI)などの世論調査では、次の大統領にふさわしい人物として、1.尹錫悦前検事総長(38.0%)、2.李在明京畿道知事(25.0%)、3.李洛淵元首相(12.2%)の順で続いています。
来年3月の大統領選挙まで8か月あまりとなる中、候補者らの動きが加速しています。