“最後の砦”への「物資補給を完全に遮断」 露側が圧力
ロシア軍がウクライナ東部への攻撃を強める中、東部ルハンシク州の最後の砦(とりで)とされるリシチャンシクの街について、ロシア側は物資の補給を遮断したとして圧力をかけています。
ロシア国防省は29日も、ウクライナの軍事施設などへのミサイル攻撃や砲撃などを続けていると発表しました。
南部ミコライウでは住宅がミサイル攻撃をうけ、地元当局によりますと、これまでに5人が死亡したということです。
また、東部ルハンシク州では、ウクライナ側の最後の砦とされるリシチャンシクに通じる道路が分断され、親ロシア派の部隊は「物資補給を完全に遮断した」と宣言しました。
ハイダイ知事「リシチャンシクはいま大変な状況にある。ロシア側は地上にあるものを、ただ全滅させようとしている」
リシチャンシクは、ロシア側が包囲しているとみられ、アメリカの政策研究機関は「ウクライナ軍は近くルハンシク州から撤退する可能性が高い」とも分析しています。
こうした中、ウクライナ国防省と親ロシア派の部隊は29日、「144人の捕虜を交換した」と、それぞれのSNSで公表しました。ウクライナ側の捕虜の多くは、やけどや骨折、手足の切断などのケガをしていて、144人のうち95人は南東部マリウポリのアゾフスタリ製鉄所にいた兵士らだということです。