身も心も温める兵士飯「ボルシチ」 キーウ郊外で取材 真冬の廃校で共同生活【もう一つの日常】
ウクライナ・キーウ郊外にある兵士の宿舎。廃校を再利用した場所で、100人以上の兵士が共同生活をしているという。戦時中で緊迫の日々が続く中、兵士たちがほっと一息つける楽しみといえば、食事の時間だ。
取材した日の昼食は、ウクライナ伝統料理の「ボルシチ」。真冬で凍えるような寒さの中、熱々のボルシチが兵士の身も心も温めていた。サワークリームをたっぷりかけて、さらに、「サーロ」という豚の脂身と一緒に食べるのがウクライナ流の食べ方だ。
食事は、近隣に住む女性たちがボランティアで作っている。厨房で腕を振るうボランティアの女性に聞くと、週に一回は必ずボルシチを作るという。兵士に一番人気のメニューは、肉がたっぷりつまった惣菜パンの「ピロシキ」だそうだ。
美味しい食事で英気を養った兵士たちは、再び過酷な任務に戻っていった。
(ウクライナ・キーウ郊外 2月15日取材)
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ロシアによるウクライナへの軍事侵攻が始まって、間もなく2年がたとうとしている。崩れ落ちた街並みや家族と離ればなれになった人々。そんな戦渦の中にありながら、取材で垣間見えた「ひとときの日常」を記しています。