ウクライナ・ロシア3週間ぶり“対面”停戦協議始まる 仲介役・トルコ大統領「この悲劇を止めるのは両国次第」
ウクライナ軍とロシア軍の攻防が激しさを増す中、およそ3週間ぶりに両国代表団の対面での停戦協議が日本時間の29日夕方に始まりました。協議が行われているトルコイスタンブールから中継です。
会場の外には、世界中から報道陣が詰めかけています。停戦協議は午後4時頃から始まり、ロシア、ウクライナ双方に歩み寄りが見られるかが焦点です。
協議に先立ち、仲介役のトルコのエルドアン大統領は代表団を前に演説し、「この悲劇を止めるのは両国次第だ」と述べ、即時の停戦を呼びかけました。
両国ともに可能な限り戦闘で優位に立ち、交渉で妥協を引き出したいとの思惑を持っているとみられます。
ウクライナのゼレンスキー大統領は28日、首都キーウ近郊の激戦地イルピンをロシア軍から奪還したと明らかにしました。一方、陥落の恐れが高まっている南東部の要衝マリウポリでは、当局がこれまでに5000人が死亡したと発表し、民間への被害が拡大し続けています。
──対面での停戦協議はおよそ3週間ぶりですが、進展は期待できる?
両国の主張には依然、隔たりがあるとみられ、互いに引くに引けない状況なので、進展があるかは不透明です。
軍事侵攻から1か月が経過し、早期にウクライナを降伏させ全ての条件をのませるというロシアの目論みは完全に崩れました。しかし、ここでウクライナに求める中立化や非武装化の条件を大幅に譲歩すれば、プーチン大統領が絶対に容認できない「軍事作戦の失敗」を事実上認めることになります。
一方、大きな被害を出しながら国民に徹底抗戦を指示してきたウクライナにとっても、安易に妥協すれば「何のための犠牲だったのか」と戦いの大義名分が問われかねません。
首都キーウの攻略が進まず軍事作戦の方針を事実上転換したとも伝えられるロシアが柔軟な姿勢を示すかがひとつのカギとなりそうですが、一筋縄ではいかないという見方が大勢です。
協議は2日間行われる予定です。