「ロシア!ロシア!」整列した子供達が「Z」の文字…ウクライナ侵攻“支持”象徴に
ロシアのネットメディア「メドゥーザ」が伝えたのは、礼儀正しく整列した子どもたちが「Z」の文字を形作っている映像でした。「Z」は、元々ロシア軍の車両に書かれていたものですが、いつしか「ウクライナへの侵攻を“支持”する象徴」に変化しています。
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28日夜、ロシアの有名独立系新聞 「ノーバヤ・ガゼータ紙」のサイト上には、「ロシア当局からの警告を受け、『特殊作戦』が終わるまで、ウェブや新聞などの発行を停止する」との声明が掲載されていました。活動停止を発表した「ノーバヤ・ガゼータ紙」は、去年ノーベル平和賞を受賞したドミトリー・ムラトフ氏が編集長でした。
当局による厳しい言論統制の中、ロシアのネットメディアが“ある映像”を伝えていました。子供たちが礼儀正しく整列し、「Z」の文字を形作っています。同じく「Z」の文字を形作る他の子供たちは、ロシアの国旗を掲げながら「ロシア!ロシア!」と声を発していました。
「Z」は、もともとウクライナに侵攻するロシア軍の車両に書かれていたものですが、いつしか「ウクライナへの侵攻を“支持”する象徴」に変化しています。さらに、「Z」と書かれたシャツを着て踊る子供たちの映像も見られました。
こうした子どもをも巻き込んだ現象を報道したのは、ロシアの独立系ネットメディア「メドゥーザ」。隣国ラトビアから、侵攻の実態を伝えてきました。
「メドゥーザ」広報担当
「私たちはいま起きていることを戦争と呼び、読者に真実を伝えています。ロシアの人たちが何が起きているのかを知ることは重要だからです」
その「メドゥーザ」が新たに掲載したのは、ウクライナのゼレンスキー大統領へのリモート・インタビューです。
「メドゥーザ」編集長
「ウクライナの勝利をどのように思い描いている?」
ウクライナ・ゼレンスキー大統領
「犠牲者の数を最大限減らすこと。この戦争が続く期間を短くすることです」
インタビューに対し、ゼレンスキー大統領は約90分にわたり、ロシア語で答えました。
ゼレンスキー大統領
「かつては鉄のカーテンだったものが、この情報(を遮断する)カーテンになっているのです。ジャーナリスト・文化人・芸術家・作家・俳優の力なくしては、このカーテンを破壊することはできないのです」
実はこのインタビューには、「メドゥーザ」の他にもロシアの独立系のテレビ局や有力紙の記者ら複数のロシアメディアが参加していました。しかし、ロシア規制当局は、このインタビューを公開しないよう警告し、取材したメディアを調査するとしています。
インタビューの中で、ゼレンスキー大統領は、「停戦協議の行方を左右するウクライナの中立化のためには、『第三者による保証』と『国民投票』が必要」との考えを示しました。ウクライナ側の情報によると、両国による停戦協議は、トルコのイスタンブールで現地時間29日午前10時から始まる可能性があるということです。
(3月28日放送『news zero』より)