トルコ南部地震 83時間ぶりに3歳“救出”も…WHO「寒さが2次被害をもたらす可能性」
2万人以上が死亡したトルコ南部を震源とする地震では、今も懸命の救助活動が続けられています。9日、がれきの下から83時間ぶりに3歳の男の子が救出されました。しかし、現地では気温が氷点下になることもあり、WHO(=世界保健機関)は、「寒さが2次被害をもたらす可能性がある」と、さらなる支援を呼びかけています。
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6日に発生したトルコ南部を震源とする大地震。9日の町の様子は、がれきの山が広がり、かつての姿が消えうせていました。
救助隊員
「誰かいないか! 誰かいないか!!!」
発生から72時間が経過した後も、懸命な救助活動が続いています。
震源地に近いトルコ南部の町ハタイでは9日、がれきの下から子どもの泣き声が聞こえてきました。2歳の子どもが、がれきの下敷きになっていたのです。
救助隊員
「坊や、もうすぐだよ、待ってね」
「大丈夫だよ」
優しい言葉をかけながら、がれきの隙間に手を伸ばします。
救助隊員
「大丈夫だよ、安心して」
小さな命が、助け出されました。
救助隊員
「神のおかげだ!」
別の場所でも、がれきの中から3歳の男の子が救出されました。地震発生から、83時間がたっていたということです。
隣の国、シリアのアフリーンでも、幼い命が助け出されました。赤ちゃんが見つかった場所は、がれきの下。母親とへその緒がつながった状態だったといいます。搬送先の病院で、「アヤ」と名付けられたということです。
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その一方で、多くの命が失われました。日本時間10日午後4時時点で、トルコ災害当局よると、トルコでは1万8342人が死亡しています。また、ロイター通信によると、シリアでも3300人以上が死亡。あわせて2万1000人以上が亡くなりました。
被害の全貌がいまだ見えない“大震災”。“凍(い)てつく寒さ”も被災者を苦しめています。
現地は、昼間でも気温が氷点下になるほどの厳しい寒さとなっていて、がれきの横で、たき火を囲む人たちの姿がありました。
被災者
「多くの人が、ひどい状態にあります。人々は空腹で眠っています。子どもたちの毛布もありません」
WHO(=世界保健機関)は、「寒さが2次被害をもたらす可能性がある」と訴え、さらなる支援を呼びかけています。
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こうした中、トルコでは「救助活動が遅い」などと、政府に対して“批判”が噴出。地元メディアによると、政府与党の議員からも対応の遅れを批判する声があり、今年5月に行われる予定の大統領選に影響が出る可能性もあるということです。