外国人客の受け入れ再開 タイ・プーケット
世界的なリゾート、タイのプーケットで7月、外国人観光客の受け入れが再開されました。新型コロナウイルスの感染が広がる中で、観光業の復活を目指す実験的な取り組みですが、課題も見えてきました。
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常夏の島、タイのプーケット。
記者
「プーケットの人気のビーチリゾートに、様々な国から外国人観光客が戻ってきました」
7月1日からワクチンの接種が完了した外国人観光客の受け入れが始まりました。対象は、日本を含む69の国と地域。
10日あまりで、およそ4800人が島を訪れました。プーケットにいる限りは隔離無しで自由に過ごせて、2週間たてばタイ国内を移動できる計画です。
米・ニューヨークからの観光客
「最高の気分です、素晴らしい」
イスラエルからの観光客
「観光客の受け入れが再開すると聞いて、絶対に来たいと思った」
GDP・国内総生産のおよそ2割を観光業が占めるタイ。プーケットは新型ウイルスの影響でホテルの9割が休業するなど、大打撃を受けました。
観光復活の“起爆剤”として始まった今回の取り組みに、リゾートホテルからは喜びの声が。
デュシタニ・ラグーナ・プーケット 支配人
「たくさんのお客さまが戻ってきてくれました。すでに1000泊以上の予約があります」
長期滞在を少しでも楽しんでもらおうと、支配人自らタイのココナツゼリーの作り方を教えていました。
外国人観光客を受け入れるホテルの条件は、従業員の7割以上がワクチン接種を完了すること、政府が定める安全基準を満たす必要があります。
一方、観光客には…
イギリスからの観光客
「空港でインストールするよう言われたんです」
居場所を追跡するアプリです。タイ政府は観光客にアプリのインストールを義務づけるとともに、検問を強化し、2週間以内に島の外に出ることを防いでいるのです。
また、滞在中あわせて3回のPCR検査を求めるなど、感染対策も徹底しています。
ただ、感染対策と観光の両立は一筋縄ではいきません。
記者
「カラフルな街並みが人気の観光スポットですが、通りを見ても外国人観光客の姿はほとんどありません」
観光客があまり街に出てこないのだといいます。
コロナ前は深夜までにぎわっていた歓楽街も、ひっそり静まりかえったまま。集団感染を防ぐため、バーやパブの営業が認められていないこともあり、ホテルにとどまる観光客が多いといいます。
土産物店の人
「観光客が来ると期待していたのに、ほとんど来ません」
観光再開の恩恵がプーケット全体に行き渡っていないのが現状です。
プーケットの観光の完全復活には、まだ時間がかかりそうです。