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韓国 感染再拡大で「江南スタイル」NGに

2021年7月14日 18:32

韓国では新型コロナウイルスの感染の再拡大に歯止めがかからず、新規感染者が過去最多を更新。大統領府でも初めて感染者が出ています。こうした中、政府はエアロビクスなどで流す音楽について、リズムの速い曲を禁止するなど対策を細かく規定しています。

●新規感染者数 過去最多を更新

韓国の保健当局によりますと、14日の発表で1日あたりの新規感染者が1615人確認され、過去最多を大幅に更新しました。

ソウルを含む首都圏では、12日から対策が最も高いレベル(第4段階)に引き上げられていますが、感染が全国に拡大しているとして政府は15日から首都圏以外の一部も4段階中の第2段階に引き上げると発表しました。政府は、しばらく感染拡大は続くとみて警戒を強めています。

●ジム音楽も規制 BTSはOK 「江南スタイル」はNG

スポーツジムではエアロビクスやダンスの際に流す音楽について、1分間のテンポを示すBPMが120を超える曲が禁止されました。

韓国メディアによりますとBTSの「Dynamite」は流すことが可能ですが、PSYの「江南スタイル」は基準を上回るテンポのため禁止されています。また、ランニングマシンの速度は時速6キロ以下に制限されています。

保健当局は激しい運動は飛沫が排出される可能性が高いとした上で、「感染の危険性を減らしジムの営業を続けてもらうための措置だ」と説明しています。

ソウル市内のジムの経営者は「ゆっくりした音楽だと運動にならないし、時速6キロは早歩き程度だ」と指摘しながらも「ルールなので守らざるを得ない」と話しています。

一方、韓国メディアでは「BGMまで制限するとはあきれる」などと批判的な論調も目立ちます。

●“青瓦台”で初めての感染者も

韓国大統領府(青瓦台)は14日、職員1人の新型コロナウイルス感染を確認したと発表しました。大統領府関係者によりますと、この職員はワクチンを接種済みだったということです。文在寅大統領が執務を行う大統領府の中で感染者が出るのは初めてです。職員が勤務していた部署全員のPCR検査や職場の消毒が行われるなど感染拡大の影響は政治の中枢にも及んでいます。

●慰安婦支援団体 1500回目の集会は「1人で」開催

こうした中、ソウルの日本大使館前では元慰安婦の支援団体「正義記憶連帯」が日本政府に謝罪や賠償を求める“集会”を行いました。

集会は毎週水曜日に行われ、今回が1500回目の節目。しかし、新型コロナの感染症対策で「1人デモ」以外は禁止されたため、団体側はオンラインを中心とした形に規模縮小を余儀なくされました。慰安婦を象徴する少女像の横に1人が立ち、その周囲を多数の警官やメディアが囲む異様な雰囲気。

2019年8月の1400回目の集会では主催者発表で2万人以上が集まっていて、感染の再拡大は韓国の集会の形も一変させています。