韓国大統領選“知日派候補浮上”構図変化か
来年3月に行われる韓国の大統領選挙についての世論調査で、“知日派”の李洛淵(イ・ナギョン)元首相が支持を伸ばし、韓国メディアは尹錫悦(ユン・ソギョル)前検事総長と李在明(イ・ジェミョン)京畿道知事の『2強』から『3強』の構図に変わりつつあるとの見方を伝えています。
■“知日派”候補支持伸ばし “対日強硬”候補「気が抜けたサイダー」
15日に発表された韓国「リアルメーター」の世論調査によりますと、次の大統領にふさわしい人物として尹錫悦(ユン・ソギョル)前検事総長が27.8%、与党の李在明(イ・ジェミョン)京畿道知事が26.4%と僅差で並んでいます。
これに次ぐ3番手としては、“知日派”として知られる李洛淵(イ・ナギョン)元首相が15.6%と前回の調査より7ポイント以上、支持を伸ばしました。
ほかの世論調査でも李洛淵氏の支持が伸びていて、これについて、韓国メディアは『2強』から『3強』に変わりつつあるとの見方を示しています。
与党「共に民主党」内の候補者らによる論戦で、李洛淵氏らが、最有力・李在明氏のスキャンダルを厳しく追及したことなどが影響したものとみられます。
“対日強硬派”で刺激的な発言から「サイダー」に例えられていた李在明氏は防戦場面が目立ち、「気の抜けたサイダー」と揶揄されるなど、与党内の候補者争いの構図に変化が出始めています。
■“反文”前監査院長は野党入党 前検事総長のライバルに?
一方、野党系の最有力候補、尹錫悦(ユン・ソギョル)前検事総長は、12日、大統領選挙の予備候補として届け出を行いました。これにより選挙事務所の開設などが可能になり、大統領選に向けた活動が本格化しています。
また、15日、野党系からの出馬が取りざたされていた崔在亨(チェ・ジェヒョン)前監査院長が、最大野党「国民の力」に入党を表明しました。
崔氏は大統領選挙への出馬は明言しませんでしたが、「政権交代を成し遂げる中心は、野党第1党」「若者が希望を持って暮らせる国を作るため、私のすべてを捧げる」と述べました。
判事出身の崔氏は、2018年に韓国の歳出・歳入を監査する機関、監査院トップに起用されましたが、原発の経済性評価をめぐって文在寅政権と対立。6月末、監査院長を任期途中で突如辞任し、文在寅大統領が「望ましくない先例を作った」と遺憾の意を表明していました。今後、野党内で尹氏のライバル候補として浮上する可能性もあります。