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【解説】ロシアを止めるのは誰か? 事態収束にカギを握る中国は“あいまい路線”

2022年3月7日 20:18
【解説】ロシアを止めるのは誰か? 事態収束にカギを握る中国は“あいまい路線”

ロシアとウクライナの人道回廊は、今度こそ本当に実現するのか。状況が悪化し続ける中、事態の打開に向けたカギを握るといわれる中国の動きに注目します。

■ロシア国防省が人道回廊実施を発表

ロシアとウクライナの2回目の停戦協議で合意した人道回廊とは、南東部の「マリウポリ」と「ボルノバハ」に避難ルートの人道回廊を設置し、一時停戦している間に住民を避難させるというものです。

当初は現地時間の5日、一時停戦して、ザポリージャに向けて避難ルートが設置される予定でした。ところがウクライナ側は「ロシア側が停戦を守っていない」として、避難は行われませんでした。一方、ロシア側は「ウクライナの民族主義者が民間人の退避を妨げた」と主張しています。

さらに、6日もロシアとウクライナの双方ともに「停戦が守られていない」と主張し、人道回廊は中止となりました。

ただ、こうしたさなかにも人道回廊の設置場所のひとつ、マリウポリでは多くの人が戦闘に巻き込まれ、命を落としています。マリウポリの病院に、1歳半の男の子が両親に抱えられ運び込まれました。男の子には救命措置がとられましたが、息を引き取ったということです。

医師はライフラインが止まっていると訴えています。

医師
「電気、水道、暖房、何もない状況で働き続けています。薬も不足し始めています」

■プーチン大統領 “強気”崩さず

そして、ロシア国防省は日本時間7日午後4時に人道回廊を実施すると発表しました。

しかし、人道回廊が実際行われているのか、詳しいことは分かっていません。一刻も早い事態の収束が求められますが、プーチン大統領は、フランスのマクロン大統領との電話会談で、ウクライナとの3回目の停戦協議について「ロシア側の要求を無条件に満たせば、対話を続ける準備はできている」と発言しました。

ロシア側はウクライナの非武装化などを求めていますが、それらを何の条件もなくのめば対話をすると、強気な姿勢を崩していません。

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■事態収束にカギを握る中国の立場は