韓国与党議員ら 米韓軍事演習の延期を要求
近く予定されているアメリカと韓国の合同軍事演習について、韓国の与党議員ら70人あまりが5日、北朝鮮との対話実現のため、延期を求める声明を出しました。
韓国の与党議員らは5日会見し、北朝鮮との通信連絡線が再開したことで「冷え込んだ南北関係と米朝関係を再び進展させる重要な時期を迎えている」と主張しました。その上で、北朝鮮側が交渉の場に出ることを条件に、合同軍事演習を延期するよう米韓両政府に求めました。
北朝鮮の金正恩総書記の妹・与正氏が国営メディアを通じ、演習の中止を要求したことについては、「北朝鮮側も対話再開を望んでいて、名分が必要だということを明らかにしたもの」との見方を示しました。
一方、野党側は「安全保障は交渉のカードにすべきではない」とこうした動きを強く批判しています。
文在寅大統領は4日、軍の幹部らとの会議に出席し、演習について「様々なことを考慮して慎重に協議してほしい」と言及しています。
韓国国防省は5日も「時期や規模は確定しておらず、米韓で協議中」との立場を繰り返しましたが、実施する場合でも新型コロナウイルスの影響も考慮し、屋外での実演訓練は行わず、コンピューターによる図上での演習になるとみられます。
韓国の聯合ニュースは軍関係者への取材として、規模は縮小されるものの、演習は今月16日から実施されるとの見通しを伝えています。