ベラルーシ大統領選1年 米英は制裁強化へ
ベラルーシで大規模な抗議デモを招いた大統領選挙から1年となる9日、ルカシェンコ大統領が演説を行い、「民主的な選挙だった」と自身の正当性を主張しました。アメリカやイギリスは制裁の強化を発表しています。
ルカシェンコ大統領「選挙は完全に情報が公開され、民主的に行われた」
ルカシェンコ大統領はこのように述べ、大統領選の不正を訴える抗議デモを弾圧した自身の正当性を主張しました。
また、東京オリンピックに出場後、ポーランドに亡命したチマノウスカヤ選手についても初めて言及しました。
ルカシェンコ大統領「亡命は本人の意思ではなく、反体制派に操られていた」
また、「チマノウスカヤ選手が代表に選ばれたのは、IOC(=国際オリンピック委員会)にしつこく推薦されたからで、代表に入れるべきではなかった」などと述べました。
こうした中、アメリカのバイデン大統領は9日、ベラルーシへの制裁を拡大する大統領令に署名しました。
新たに制裁対象となったのは、ベラルーシのオリンピック委員会など44の個人と団体で、アメリカ国内の資産が凍結され、アメリカ人との取引も禁止されます。オリンピック委員会は、マネーロンダリングや制裁回避に関与したと指摘しています。
また、イギリス政府は航空や貿易、金融の分野を対象とする新たな経済制裁を発表しました。
ルカシェンコ大統領側に資金が流れるのを防ぐため、石油などの貿易制限や、国有銀行の発行する証券の購入禁止などが盛り込まれています。またベラルーシの航空会社はイギリス国内での離着陸が禁止されます。ラーブ外相は声明で、ベラルーシでは民主主義が破壊され、人権が侵害されていると批判しました。