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“デルタ株”対策で3回目接種 イスラエル

2021年8月16日 21:07

ミャンマーでは、自宅療養者のもとに酸素ボンベが届かず、亡くなる方も出ているといいます。イスラエルでは、接種した人のデルタ株への感染が急増していて、3回目の接種が始まりました。海外でのコロナをめぐる最新の動きです。

■イスラエル

これまで94万2000人以上が感染したイスラエル。(感染者 94万2239人 死者 6668人 米ジョンズ・ホプキンス大 16日午後5時時点)

7月から60歳以上の人を対象に3回目のワクチン接種が始まりましたが、13日、対象を50歳以上の人と医療従事者に拡大しました。

3度目のワクチンを接種
「私たちはパイオニアです。歴史的な出来事です。3度目のワクチンを打てて、とてもありがたいです」

イスラエルでは、人口の67.5パーセントが少なくとも1回ワクチンを接種していますが、AP通信によりますと、ワクチンを接種した人の間でもデルタ株の感染が急増しているといいます。

■ミャンマー

これまでに35万4000人以上が感染したとされるミャンマー。(感染者 35万4279人 死者 1万3263人 ミャンマー保健当局 15日発表)

しかし、実際は保健当局が発表しているこの感染者数よりはるかに多いと、現地で人道支援にあたる日本人女性は指摘します。

ミャンマーで人道支援 日本人女性
「一緒に働いている同僚が5名ほどいるんですけれども、全員がコロナに感染、もしくはコロナ様の症状で1度は倒れています。公的な検査機関で検査を受けた人は1人もいないんですね。なので結局5人中5人がその統計に反映されていません」

ミャンマーでは、公的な検査を十分に受けられず、多くの人は薬局で購入したキットで検査していますが、公的な検査を受けていない人は感染者としてカウントされていないといいます。

医療は崩壊していて、自力で薬や酸素ボンベを調達して自宅療養せざるを得ない人が多いということです。

ミャンマーで人道支援 日本人女性
「自宅でみてたんですが、最終的にやはり酸素が切れてしまって、次の酸素ボンベが到着するのを待っている間に、ご本人は亡くなられたというような状況がありました」

さらに貧困層への拡大は深刻だといいます。

ミャンマーで人道支援 日本人女性
「(医師が)電話での診療をするのに、その診療費がたとえ無料でも、その電話代がないとか、そういった経済的にかなり苦しい状況にあるご家族がいらっしゃる」

窓に掲げられた黄色い旗。家族全員が感染した際に、薬などの支援を求める意味があるといいます。検査もできず、病院にもかかれないため、亡くなっても死因すら分からず、遺体の火葬も難しいということです。

ミャンマーで人道支援 日本人女性
「火葬場が普段のキャパシティーを大きく超えてしまって、火葬待ちで、SNSとかでは普通の一般のゴミ処理場に運ばれているご遺体の写真も出回っていました。社会全体としてはどうなってしまうんだろうというパニック感のようなものはありました」

■韓国

デルタ株が広がり、第4波に直面している韓国。(感染者 22万5481人 死者 2167人 韓国・保健当局 16日時点)

15日、韓国・ソウル。1人で抗議の声を上げる人や、1人、路上に座り込み動かない人の姿がありました。

15日は日本の植民地支配からの解放を祝う「光復節」。例年であれば、大規模なデモや集会が開かれますが、今年は感染対策のため、デモや集会の人数は1人に制限されました。

韓国メディアによりますと、集会が開かれないよう、警察は1万5000人態勢で警戒にあたりましたが、午後には多くの人々が街へ。警察と保守系団体の人たちが衝突する場面も見られました。

周辺では一時、さらなる混乱を防ぐため、バスや地下鉄などの公共交通機関が利用できず、市民の生活にも支障が出ました。

配達労働者
「普段は10分ほどで行ける距離が、25分かかった」

■中国

これまでに9万人以上が感染した中国。(感染者 9万4430人 死者 4636人 中国・衛生当局 16日時点)

江蘇省では防護服を着た人たちが続々とバスに乗り込みます。実はこの地域では、大規模検査の結果、2人の感染者を確認、110人が濃厚接触者などとされました。

感染拡大を食い止めるため、濃厚接触者らは隔離されることになり、バスで隔離場所に移動することになったのです。

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世界ではこれまでに2億721万以上が感染し、436万人以上が死亡しました。(感染者 2億721万1656人 死者 436万2285人 米ジョンズ・ホプキンス大 16日午後5時時点)

ワクチン接種を完了した人の割合は、イスラエルで全人口の62.5パーセント、日本は37.2パーセントとなっています。