中国・深セン男児死亡 死刑判決の被告、控訴せず
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中国・広東省の深センで去年、日本人の男子児童が男に刃物で刺され死亡した事件で、死刑判決が言い渡された被告が控訴しなかったことがわかりました。
広東省・深センで去年9月、日本人学校に登校中の男子児童が男に刺され死亡した事件では、深センの地裁にあたる中級人民法院が先月、鐘長春被告(45)に死刑判決を言い渡しました。広州にある日本総領事館によりますと、鐘被告は控訴しなかったことが、19日午前、深セン市側から伝えられたということです。
中国では被告が控訴しなかった場合でも上級の裁判所が再び審査を行います。現在は、高裁にあたる高級人民法院で審査が行われていて、最高人民法院の承認を経て死刑が確定する見通しです。
裁判では日本人を狙ったものかなど動機の解明が焦点となっていましたが、地裁は初公判で死刑を言い渡し、異例の即日判決となりました。判決では動機について「インターネットで注目を集めるためだった」と指摘しましたが、日本についての言及はなかったということです。
また、去年6月に江蘇省蘇州市で日本人の親子らが刃物を持った男に襲われた事件でも、死刑判決を言い渡されていた周加勝被告(52)が控訴しなかったことが今月7日、上海にある日本総領事館に中国側から伝えられたということです。