最大の争点は「気候変動問題」ドイツ総選挙
ドイツで9月26日に行われる総選挙。この夏、豪雨で多くの人が犠牲になったこともあり、「気候変動」対策が最大の争点で、メルケル首相の後任選びにも影響を与えています。
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21日、ドイツ西部の町、バート・ミュンスターアイフェル。
記者
「豪雨から2か月たちますが、多くのガレキが残されています」「ここはおそらく道があったと思います。洪水で完全に流されてしまっています」
7月の記録的な豪雨では、ドイツ国内で180人以上が亡くなりました。
住民の男性は…
住民
「ここまで水が来ました。とても危険な状況でした」
気候変動が豪雨の原因の一つと注目され、この問題は今回の総選挙で最大の争点となりました。
住民
「次に選挙で選ぶ人は気候変動対策をしっかり実行できる人です」
こうした中、注目されているのが野党「緑の党」です。
緑の党 ベーアボック氏(23日 ポツダム)
「気候変動対策では中途半端なことはやりません」
石炭火力発電所の早期廃止など、急進的な気候変動対策を打ち出していますが、議席数を大きく伸ばすと予測されています。
これに対して連立与党の社会民主党は、「緑の党」の政策は性急すぎて「現実的ではない」などと批判。
社会民主党 ショルツ氏(22日 ボン)
「気候変動政策は穏やかに一歩一歩進めていくべきです」
一方、メルケル首相が所属する最大与党、キリスト教民主・社会同盟で首相候補のラシェット氏は、洪水の被災地を訪問した際に談笑した姿が撮影され、人気が急落しています。
今回の選挙は、ドイツの首相を16年間務めてきたメルケル氏の後任選びにもつながります。
メルケル氏は旧東ドイツ出身で、ロシアのプーチン大統領と膝詰めの会談もこなしてきたほか、過去のサミットでは当時のトランプ大統領に先陣を切って議論を挑むなど、世界のリーダーの中でも大きな存在感を示していました。
直前の世論調査ではメルケル氏の所属政党が支持率で2位に転落。「緑の党」は3位につけ、連立与党入りをうかがう勢いです。
ドイツの将来を占う選挙の大勢は27日に判明する見通しです。