飲食店と行政、処分めぐり訴訟相次ぐ 韓国
フランスでは、ワクチン接種加速のため、無料だったPCR検査が原則有料になりました。一方、韓国では一部のコロナ対策が緩和される中、行政側と飲食店などが裁判で争う事態が相次いでいます。海外での新型コロナをめぐる最新の動きです。
■フランス
700万人以上が 感染したフランス。(感染者 718万9566人 死者 11万8183人 米ジョンズ・ホプキンス大 18日午後5時時点)
ワクチン接種加速のため、ある対策に乗り出しました。
記者(フランス・パリ)
「パリ市内の検査場でも、ワクチンを打っていない人は料金を支払って検査を受けています。昨日までと比べると検査を受ける人は少なくなっているということです」
フランスでは15日、ワクチン接種を完了していない人は、これまで無料で受けられていたPCR検査と抗原検査が原則有料になりました。
PCR検査の費用は日本円でおよそ6000円、抗原検査はおよそ3000円から6000円です。
抗原検査を受けた人
「ワクチン接種をしていない人が(接種)しようと思うかもしれない。他の人のことを考えるよい機会になるかもしれないですね」
フランスでは、飲食店などの利用にワクチン接種の完了や検査の陰性を証明する必要があります。人口のおよそ7割が接種を完了していますが、さらに接種率をあげる狙いです。
■アメリカ
世界最多の4000万人以上が感染したアメリカ。(感染者 4493万3409人 死者 72万4317人 米ジョンズ・ホプキンス大 18日午後5時時点)
11月から、日本などからの入国の条件が厳しくなります。
アメリカ政府は、日本を含む全ての国から空路で入国する外国人に対し、11月8日からワクチン接種を義務づけると発表しました。
また、これまで同様、出発前3日以内に検査を受け、陰性を証明する必要もあります。
ワクチンの種類については、アメリカ当局、もしくはWHO(=世界保健機関)が承認したものが対象になるということです。
こうした中、FDA(=食品医薬品局)は15日、3回目の追加接種、いわゆるブースター接種について協議を行いました。
会議では、すでに接種を完了したワクチンとは異なる種類を接種した場合でも高い有効性が示されたとするデータが報告され、追加接種で異なる種類のワクチンを用いることを承認する可能性を示唆しました。
■韓国
34万人以上が感染した韓国。(感染者 34万3445人 死者 2668人 韓国・保健当局 18日)
18日から、飲食時の人数など、一部のコロナ対策が緩和される中、飲食店などの自営業者と行政側が裁判で争う事態が今、相次いでいます。
ソウルでは去年10月、地元自治体が、感染予防対策が不十分だったとして、自営業者に対し営業禁止の処分を下しました。
この自営業者は処分取り消しを求め提訴。裁判所は処分が下された日が法律の施行日よりも前だったため“違法”だと判断し、自営業者が勝訴しました。
韓国メディアによりますと、同様に営業禁止処分を受けた業者はソウルだけで486業者あり、このうち17業者が訴訟で勝訴したり、処分の執行停止が認められたりしたということです。
自営業者団体の代表
「政府が下した行政処分で被害を受けたのだから、その責任も政府が負わなければなりません」
団体は今後、似たような事例を集めて訴訟も辞さないつもりで準備しているということです。
韓国でワクチン接種を完了した人はおよそ65パーセントとなっています。
■オランダ
200万人以上が感染したオランダ。(感染者 208万7144人 死者 1万8680人 米ジョンズ・ホプキンス大 18日午後5時時点)
研究者が画期的な注射を開発中です。それが“針のない注射”です。
研究者
「針をなくすことで、ワクチン接種を恐れている多くの人が接種できるようになるからだ」
ロイター通信によりますと、レーザーを使ってわずかな液体を時速100キロの速さで押し出し、皮膚の中に入れるというもので、針を使わないため、ほとんど痛みを伴わないと研究者は話します。
この開発に街の人は…
「私は注射針は怖くありませんが、怖がっている人を知っています。承認された安全なワクチン接種であればいいんじゃないでしょうか」
「私はいい解決策だと思います」
この“痛みがない注射器”、より多くの人がワクチン接種を受けられるようになるだけでなく、針による汚染のリスクを防ぐことや、医療廃棄物を減らすことにも期待できるということです。
◇
世界では2億4000万人以上が感染し、およそ490万人が死亡。(感染者 2億4069万2909人 死者 489万8901人 米ジョンズ・ホプキンス大 18日午後5時時点)
ワクチン接種を完了した割合はポルトガルがおよそ86%、日本は67%、アメリカはおよそ56%。世界全体では36%となっています。