「抗原検査キット」薬局で解禁…どう使う?
これまで医療現場で使われてきた新型コロナウイルスの「抗原検査キット」について、薬局での販売が解禁されました。検体を自己採取して調べますが、実際にどのように使うのでしょうか。注意点や、行動制限の緩和に向けて活用されるのかも考えます。
■「無症状」なら…使用は推奨されず
有働由美子キャスター
「抗原検査キットを使って自宅で新型コロナウイルスの検査ができるようになっていくとのことですが、どんなことに注意すればよいでしょうか?」
小野高弘・日本テレビ解説委員
「大前提として、症状がある人が使ってください。ウイルスの量がある程度ないと検出できないため、無症状の人が使うことは推奨されていません」
「薬局で買えるようになりますが、症状のある方は薬局に買いに行くのは避けていただきたいので、あらかじめ購入しておく必要があります。同居している家族が代わりに買うこともできます。買う時には薬剤師の説明を受けて、署名することになっています」
■間違った判定「偽陰性」にも注意
小野委員
「販売が可能なキットの1つを例に、実際の使い方を紹介します。まず、長い綿棒を手にします。それを鼻の入口から中へ約2センチ入れます。鼻の中をこするように約5回回転させて、そのまま5秒保ちます」
「次に、検体を抽出する液に浸し、チューブをつまんだり綿棒を上下させたりして、十分に浸透させます。付属のノズルを付け、指定された量の液体を垂らして判定します。今回のキットでは15分後に結果が出ます。2本線が現れたら陽性、1本の場合は陰性です」
有働キャスター
「もし陽性だったらどうすればよいでしょうか?」
小野
「陽性の場合は迷わず医療機関で受診してください。陰性だった場合でも、結果が間違って出る『偽陰性』のこともあるため、症状がある場合は受診してください」
■「ワクチン検査パッケージ」にも?
有働
「この抗原検査は、どんどん進んでいくと考えてよいのでしょうか?」
小野
「この先気になるのは、行動制限の緩和です。そこで検討されているのが、他の人に感染するリスクは低いことを示す仕組み『ワクチン検査パッケージ』です」
「政府はPCR検査を推奨していますが、今回の医療用抗原検査キットの結果を使うことも想定しています。ただ、そもそも症状がない人には使われない前提のものなので、どう活用していくかは、今後の議論を見ていく必要がありそうです」
■落合さん「イベントや入試にも?」
有働
「落合さんは、この取り組みをどう考えますか?」
落合陽一・筑波大学准教授(「news zero」パートナー)
「ワクチンが打てない年代の子どもらに向けて、例えば学校などでどう活用されるのかが気になります」
「ポイントは、どのくらいの量があるのかだと思います。かなりたくさんあるとしたら、イベントを開催する上での検査でも使うようにすることも考えられます」
「もちろん完璧ではないから、多少感染(者は)出てしまうかもしれませんが、中学生活や高校生活がこのまま行くと3年間、特にイベントなく終わってしまうのは、さすがにかわいそうだなと思うので。もし、量がある程度しかなければ、これからの季節だと入学試験などへの活用に期待したいと思います」
有働
「このキットをうまく使えば、医療現場や保健所の皆さんの負担を減らすことにつながると思いますが、ワクチン検査パッケージなどに社会でどう活用していくのか、みんなが納得するルールを早く示してほしいです」
(9月28日『news zero』より)