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“ウィズコロナ”の生活進む スウェーデン

2021年10月25日 21:06

例年、ノーベル賞の授賞式が行われるスウェーデンでは、今年も受賞者を招待しないことが決まっています。海外からの渡航には慎重ですが、スウェーデン国内では緩和が進み、経済を動かしながら感染を抑えていく「ウィズコロナ」の生活が始まっています。海外でのコロナをめぐる最新の動きです。

■スウェーデン

ノーベル賞の歴史が展示されているスウェーデン・ストックホルムの博物館。

記者
「今年の物理学賞に選ばれた真鍋さんのことが似顔絵つきで紹介されています」

今年の物理学賞に選ばれた真鍋淑郎さんの似顔絵を展示していました。

本来であれば真鍋さんもこの場所を訪れるはずでしたが、世界的に感染が収束せず、受賞者は招かれないことが決まりました。

海外からの渡航にはまだまだ慎重なスウェーデン。一方、国内では…

記者
「誰もマスクしてないですね。別世界といった感じです」

ロックダウンをせずに、できる限り通常どおりの生活を目指した国として、世界的に注目されました。

街の人
「ロックダウンしたヨーロッパ諸国と比べても状況は悪くはないし、ビジネスや精神面でも良かったと思う」

ストックホルムで人気のラーメン店。自慢の一杯が、独学で研究したというこだわりのみそラーメンです。

お客さん
「ここのみそは絶品だね」

この店は感染拡大で一時的に客足が減ったものの、休業を強いられなかったため、深刻な打撃は受けなかったといいます。

ラーメン店を営む夫婦
「今はもう元に戻って、とても忙しくしています」

110万人以上が感染したスウェーデン。(感染者 116万5996人 死者 1万4993人 米ジョンズ・ホプキンス大 25日午後5時時点)

経済を動かしながら感染を抑えていく「ウィズコロナ」の生活が着実に浸透しはじめています。

■韓国

35万人以上が感染した韓国でも、「ウィズコロナ」に向けた新たな動きが起きています。(感染者 35万3089人 死者 2773人 韓国・保健当局 25日時点)

記者
「1日の新規感染者数がいまだ1000人を超えている韓国ですが、来月からは日常生活を取り戻すため段階的に規制が緩和されることになりました」

25日、政府は11月から飲食店の営業時間の制限をなくすなど、段階的な日常回復に向けた「草案」を発表しました。

その根拠について文大統領は、70%を超える「ワクチン接種完了率」などをあげています。

韓国 文在寅大統領
「ワクチン接種は遅れて開始したが、国民の積極的参加により、先に始めた国々を追い越した」

これに、ソウル市民は…

賛成 ソウル市民
「どうしてもこっそりと(人と)会う感じがあったので、これで堂々とできます」

反対 ソウル市民
「少し早いと思います。自営業の人にはうれしい知らせかもしれませんが、全体的に見ると少し不安です」

「賛成」と「反対」、双方の声があがっています。

■中国

一方、中国では“感染の再拡大”が懸念される事態になっています。(感染者数 9万6797人 死者数 4636人 中国・衛生当局 25日発表)

衛生当局は10月17日以降、国内複数の地域で市中感染が確認され、11の省に拡大していることを明らかにしました。

中でも特に警戒を強めているのは、来年2月に冬季オリンピックを控える首都・北京です。

記者(中国・北京 25日)
「北京オリンピックの開幕まであと102日と書かれています。ここ北京での新型コロナの感染拡大に中国当局は警戒を強めています」

19日にはおよそ70日ぶりとなる市中感染を確認。感染者数は25日午後時点で17人に増えているのです。

北京市民
「心配しています。感染拡大で我々が会場で観戦をしたいと思っても難しくならないか」

政府は、接種完了から少なくとも6か月経過した18歳以上に3回目のワクチン接種を行うなど、対策に追われています。

■ロシア

800万人以上が感染し、感染状況が過去最悪となっているロシア。(感染者 827万9573人 死者 23万1669人 露コロナウイルス対策本部 25日発表)

病院内の重症者が入院する“レッドゾーン”では、懸命の治療が行われていました。

感染のピークを更新し続ける中でも、今月30日から11月7日までを“非労働日”とし、経済活動を大幅に制限することになっているロシア。首都・モスクワではより厳しい措置が取られることになりました。

モスクワ市長(ロシア・モスクワ 22日)
「感染のピークを抑えるために、緊急措置をいち早く発動する必要がある」

モスクワでは、ほかの地域よりも2日早く、今月28日から“非労働日”を開始すると発表。食料品店や薬局、飲食店のテイクアウト営業などは許可されますが、企業や学校の大部分は閉鎖されるということです。