×

女子テニス協会“中国批判” 彭帥さん問題

2021年12月2日 19:59

中国の女子テニス選手が、性的関係強要を告白した後、連絡が取れなくなったとされる問題で、WTA(=女子テニス協会)は中国でのトーナメントを全て中止すると発表しました。WTAは「中国がこの問題に信頼できる方法で対処していない」と批判しています。

     ◇

WTA スティーブ・サイモンCEO(WTA HPより)
「中国で開催される全てのWTAトーナメントを直ちに停止することを発表します」

WTAは、このように強い措置を発表しました。事の発端は先月2日、中国の女子テニス選手彭帥さん(35)が、張高麗前副首相から性的関係を強要されたことなどを、SNS上で告白した後、連絡が取れなくなったとされていました。

その後、先月21日、中国共産党系メディアが、ツイッターで近況とされる映像を次々と公開しました。

また、IOC(=国際オリンピック委員会)も、彭帥さんとテレビ電話した場面を公開し、「北京市内の自宅で暮らしていて安全だ」などと説明したと発表していました。

しかし、WTAのトップ、スティーブ・サイモンCEOは「中国の指導者たちは、この非常に深刻な問題に信頼できる方法で対処していません」と、彭帥さんが自由かつ安全で脅迫などを受けていないか、大いに疑問などと批判しました。そして、中国で開催される全てのトーナメントの中止を発表したのです。

テニス四大大会を18回制したナブラチロワさんは、ツイッターで「勇気ある姿勢」だとWTAの判断を支持しました。

元テニス選手・ナブラチロワさん
「お金より原理原則を優先し、すべての女性、特に彭帥さんのために立ち上がったからです」

     ◇

北京市民は――

「彼女の個人的な問題で、大会がなくなるのは理解できない」

「(中止は)残念なことですね。理由は何ですか?」

そもそも中国では、この問題が報道されず、知らない人も多いのが現状です。

そして、日本時間午後4時すぎ、中国外務省報道官は「私たちは何度も立場を明らかにしてきました。スポーツを政治化する行為に断固反対します」と示された懸念には答えず、この問題には関与しない姿勢を続けています。