ウクライナ側 首都キーウ周辺「攻撃続いている」
ロシアは、ウクライナの首都キーウ周辺などでの軍事活動を大幅に縮小すると発表しています。一方、ウクライナ側は攻撃は続いていると主張しています。
ウクライナとの停戦交渉でロシア側は29日、キーウ周辺などで軍事活動を大幅に縮小する方針を示していますが、ウクライナ側からは「攻撃が続いている」との声が相次いでいます。
キーウのクリチコ市長は30日、「一晩中、ロケット攻撃や爆発音が続き、死者がでている」と強調しました。
ロイター通信によりますと、北部のチェルニヒウでも、市長が「過去24時間でロシア側の爆撃が激しくなり、10万人以上が取り残されている」と話しています。
ゼレンスキー大統領は、一部のロシア軍の後退を認めつつ、東部で攻勢の準備をしていると警戒感を示しました。
ゼレンスキー大統領「(ロシア軍の動きは)後退ではなく我々が追い出したのだ。防衛にあたった者たちの努力の結果だ。同時にドンバス地域での新たな攻撃のためロシア軍が集結していて、我々はそれに備えている」
その東部ドネツク州で激戦地となっているマリウポリについて、ロイター通信は、ウクライナ大統領府顧問の話として「市の半分がロシア軍に制圧された」と報じています。
こうした中、ロシア側代表団のメジンスキー氏は30日、停戦交渉でウクライナ側がロシアの核心的要求を満たす意思を示したと一定の評価をしました。
しかし、ロシア側が実効支配するクリミアや東部について、基本姿勢は変わらないと強硬姿勢を崩しておらず、これら地域の扱いで交渉が難航する可能性もあります。
ロシア大統領府のペスコフ報道官も「合意までには非常に長い時間が必要となる」との見通しを示しています。