北京五輪控え大気汚染対策 春節なのに花火・爆竹“禁止”
オリンピック開幕を直前に控えた中国では1日、旧暦の正月「春節」を迎えました。花火を上げ新年を迎えるのが恒例行事となっていますが、今年は大気汚染対策で花火や爆竹が禁止される厳戒態勢となっています。
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投稿された映像は、まるで映画のワンシーンでした。先月25日、中国北京の警察は、花火爆竹を違法に販売した容疑で男2人を拘束しました。
実は今、北京では、爆竹や花火をこっそり、運搬、販売するなどして摘発される映像が相次いでSNSに投稿されているのです。
オリンピックの開幕を控えた北京。1日から1年で一番大事な祝日、「春節」が始まりました。
例年、年越しの夜には、「厄よけ」のため盛大に花火を上げて新年を迎えるのが恒例行事となっていました。
ところが今年は、1年前には花火をやる人でいっぱいだった場所には誰もいませんでした。
中国政府はオリンピック開幕を前に、「大気汚染対策」を強化し、北京市内などで花火や爆竹を禁止する異例の通達を出したのです。そのため年越しを前に、爆竹を鳴らさないように巡回も行われました。
違反行為を通報すれば最高で2万元、およそ36万円の賞金を出すなど厳戒態勢がしかれていました。
監視員
「こっそり花火を上げるやつを取り締まっている」
花火以外にも工場の操業停止や交通規制を行うなど、オリンピックの空を守るため中国政府はやっきになっています。
その成果もあってか、去年11月には汚れた空気でかすんでいたスキーのジャンプ台は、先週、青空が広がっていました。
しかし、市民の中には──
北京市民
「春節の雰囲気がない。爆竹の音が全くない。私は(爆竹を)鳴らした方がいいと思う」
北京の近くでは、禁止措置を破って花火が打ち上げられる様子も見られました。
中国の伝統文化にも、オリンピックに向けた規制が影を落としています。