中国の外相が25日に突然、解任されました。就任からわずか7か月での異例の人事です。台湾メディアなどは女性問題で調査を受けていたなどと報じましたが、中国政府は一切理由を明らかにしていません。

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中国国営テレビ（7月25日）
「秦剛氏は兼任していた外相を解任され、王毅氏が（外相に）任命されました」

25日に中国国営テレビがさらっと伝えた重大なニュース。中国の秦剛外相が突然、解任されたのです。就任わずか7か月での異例の人事で、事実上の更迭とみられます。

記者（26日午前）
「中国外務省のホームページで外相の欄をクリックすると、情報更新中になっていますね」

作業が追いつかないのか、情報更新中と表示されていました。さらに秦剛氏の痕跡が全て消えていました。

記者
「歴代の外相が記されたページを見ても、秦剛氏の名前がありません」

一体、何があったのでしょうか。

秦剛氏は若くして中国外務省の報道官に就任しました。英語にも堪能で、習近平国家主席の外交行事にも同席するなど信任も厚く、出世街道を歩んできました。

秦剛氏がもう一つ”売り”にしていたのが…

秦剛氏（2023年3月）
「（初渡米の時）アメリカのメディアは『中国の戦狼が来た』と叫んでいたのを覚えている」

強気な発言から、ついたあだ名は「戦狼外交官」。

秦剛氏（2023年3月）
「もし（外国の）狼が襲撃に来るなら、中国の外交官は狼と一緒に踊り国を守る」

外相就任の際も映画「ダンス・ウィズ・ウルブズ」をもじって戦狼路線を続けると宣言しました。

しかし、6月末以降、突然、公の場から姿を消しました。中国外務省の会見では…

――（外相会議に）なぜ秦剛氏が出席しないのか？

報道官
「秦剛外相は健康上の理由で、今回の会議に参加できません」

――秦剛外相はいつ活動を再開するのか？

報道官
「提供できる情報がない。」

――（女性）関係が理由なのか？

報道官
「あなたが言及した情報について私は知りません」

台湾メディアは、秦剛外相が香港のテレビ局の女性キャスターとの関係で調査を受けていたなどと報道。

しかし、中国政府は26日も…

――辞任の理由は？

報道官
「提供できる情報はありません。 国営新華社情報を確認してください」

後任には前外相だった王毅氏が再登板する異例の展開となっています。

現代中国に詳しい専門家は…

神田外語大学　興梠一郎教授
「何の説明もなく、いきなり全人代常務委員会で解任という状況です。説明が全くないというところも異例です。あまりにもスピード出世したので、いろいろひがみとか、やっかみとかがあるんじゃないか。そういった情報がどんどん流れてきた」

謎だらけの交代劇は今後も臆測を呼びそうです。