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【解説】習主席 東南アジア歴訪の狙いは? トランプ大統領が関税で圧力強める中…

2025年4月15日 9:15
【解説】習主席 東南アジア歴訪の狙いは? トランプ大統領が関税で圧力強める中…

アメリカのトランプ大統領が関税で中国への圧力を強める中、習近平国家主席は東南アジアの歴訪に入りました。中国の狙いはどこにあるのか。北京にいるNNN中国総局・柳沢高志総局長が伝えます。

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──中国の狙いはどこにあるのでしょうか。

NNN中国総局 柳沢高志総局長
「『トランプ政権に対抗するための仲間作りだろう』と、ある日本政府関係者は分析しています」

NNN中国総局 柳沢高志総局長
「習近平主席は14日、ベトナムを訪れ、最高指導者、トー・ラム共産党書記長と会談しました。会談で習主席は、トランプ政権による相互関税を念頭に『両国は一方的ないじめに共に反対すべきだ』と批判したうえで、『中国の巨大市場は、ベトナムに対し常に開かれている』と述べ、関係強化のメリットを強調しました」

「習主席はこの後、カンボジアなどトランプ関税で高い税率を設定された国々を訪問する予定で、自らの陣営にさらに引き寄せる狙いもありそうです」

──こうした国々が、中国と一緒にアメリカと対抗する展開はあるのでしょうか?

NNN中国総局 柳沢高志総局長
「中国の呼びかけに理解を示す姿勢は見せるとみられますし、実際、ベトナムの首脳も『貿易のルール順守を中国とともに求める』と応じています。ただ、14日、中国に駐在する東南アジアのある国の大使に話を聞いたのですが『東南アジアにとって、中国、アメリカのどちらも大事。どちらにもつかないし、アメリカに報復はしない』と断言しました」

NNN中国総局 柳沢高志総局長
「つまり、中国に肩入れしすぎて、アメリカの反発を買うことは避けたいというのが本音で、実際、中国も一緒に戦ってくれるまでの期待はしていないとみられます」

──そうすると、アメリカ以外の国々を回るのは、他の狙いも?

NNN中国総局 柳沢高志総局長
「ある日中関係筋は『中国は持久戦を覚悟した』と分析していました。中国としてはアメリカが折れてくるまで待つ戦略で、そのためにはアメリカ以外の商売相手も確保しなければならないので、今後、東南アジアのほかにも外交攻勢を強めるとみられます」

「そして中国は持久戦になれば、選挙も支持率も気にしなくて良い、自分たちの方が有利とみています。ただ、米中の摩擦は世界経済へのダメージは大きく、両国がどこまでチキンゲームを続けるのか各国の懸念も深まっています」

最終更新日:2025年4月15日 9:15
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