合格祈願のチャイナドレスで母親付き添い…大学受験「高考」始まる 中国
中国では7日から全国統一の大学入学試験が始まりました。今年の受験者は過去最多。高学歴を目指し、人生をかけるし烈な受験戦争を取材しました。
7日、これからの人生を決める大事な日を迎えたのは中国の若者たちです。
「頑張れ! 頑張れ!」
中国全土で7日から、大学入試の全国統一試験「高考」が始まったのです。とにかく多く見られたのが、家族同伴の受験生たち。さらに…
記者
「チャイナドレスを身にまとっているのは、受験生のお母さんです。縁起がいいとされていて、多くの方が着ています」
合格祈願の思いをこめて、至る所にチャイナドレス姿の母親たちがいました。
受験生の母
「大学受験に勝利するように縁起の良い赤を着てきました」
今年の受験生は、全国あわせて約1342万人で過去最多。二次試験のない一発勝負に、学歴重視の中国では保護者の応援にも熱が入ります。
受験生の父
「息子のことを信じます、絶対、北京大学に合格する!」
受験生
「少し気分が落ち着きませんが、大したことありません」
受験生の母
「娘よりも私が緊張しています」
応援合戦は各地で過熱していて、安徽省で受験生たちが歩いていたのはレッドカーペットの上。パトカーの先導で会場に向かいます。四川省では警察官とハイタッチして、警察車両の前で「はいチーズ」。さまざまな応援グッズもあり、縁起のいい紫色の下着を着るよう子供に勧めることもあるようです。
試験前日の6日は、学問の神様・孔子をまつる名所に多くの受験生や保護者が“最後の神頼み”に訪れていました。
受験生
「いい出発点に立てば、つまり良い大学に入れれば、今後の人生がより歩みやすくなります」
ここまで“学歴重視”に拍車がかかる背景にあるのは、中国経済の低迷です。今年4月、都市部の若者の失業率は14.7%。日本ではここ数年5%に満たないのと比べると、その高さは際立っています。
職に就けない“就職難”が続く中、高学歴を目指すし烈な戦いが繰り広げられているのです。
中国メディアによると、今年の受験生のうち約3分の1は“再受験生”。“再受験生”には浪人生も含まれますが、一般的に中国では、一度大学に入学後、いい就職先に入るため再度、大学を受験する人も多いのだといいます。
一方で、この受験戦争を勝ち抜いた後に多くの人が体験するというのが、美容医療です。勉強がすべての生活を終え、大学で新たな人生をスタートさせるにあたって、美容の注射をうったり、二重まぶたにする人が多いのだとか。
大一番の勝負に勝ち、明るい大学生活をスタートさせられるのか。
受験生
「有名大学に入るのが夢です、そのために頑張ってきた」
受験生
「さっさと受験して、早く終わらせたいです」
ただ、今年度は大学や大学院の新卒者も過去最多となる見通しです。無事大学に入学できたとしても、し烈な就職活動が待ち受けていそうです。