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ゼレンスキー大統領“絶対阻止” ロシア化へ「住民投票」計画

2022年4月26日 1:53
ゼレンスキー大統領“絶対阻止” ロシア化へ「住民投票」計画

ウクライナのゼレンスキー大統領は、ロシアが「ヘルソン人民共和国」を設立するための「住民投票」を実施した場合、「停戦交渉は中止」と述べました。ある日突然、独立国の中に別の国を造ることは本当にできるのでしょうか?

■ウクライナからの独立を問う住民投票の動き 南部・ヘルソン州

有働由美子キャスター
「ロシアによるウクライナ侵攻から2か月が経過しましたが、全く攻撃が止まりません」

小野高弘・日本テレビ解説委員国際部デスク
「攻撃だけではありません。今、ウクライナのゼレンスキー大統領が絶対に阻止したい動きがあります。ゼレンスキー大統領は、『ロシアがヘルソンで住民投票をするなら、停戦協議は中止だ』と述べました。『住民投票はさせないぞ』ということですが、どういうことでしょうか。ウクライナ南部・ヘルソン州でロシアが住民投票させる。そして、ウクライナから独立して、『ヘルソン人民共和国』になるかどうかを問う住民投票が行われようとしているということです」

■「親ロシアの人民共和国」勝手に宣言

有働
「ある日突然、別の国を造るということが、本当にできるのでしょうか?」

小野
「ロシアのいつものやり方です。8年前の2014年、クリミア半島で住民投票が行われました。ロシア編入に賛成か反対かを問うたら『ほとんどが賛成だった』として、ロシアが一方的に併合しました。東部の2つの州でも住民投票を行い、ウクライナからの独立に“賛成”の人が多かったとして、親ロシアの『人民共和国』の独立を勝手に宣言しました。こうやって、一つ一つウクライナから剥がしていきます。ヘルソン州も同じように『ヘルソン人民共和国』にしてしまえば、ロシアが南部から東部までを広い範囲で支配できることになります」

■投票用紙にあらかじめ印が… 過去の住民投票

小野
「過去の住民投票で、次のような指摘がありました。投票用紙には『賛成』の欄にあらかじめ印がついていた。誰でも投票できて、1人が何回でも投票できた。つまり、住民投票とは名ばかりで、『ロシア化する』という答えありきなのではないでしょうか」

有働
「仮に戦闘が収まったとしても、命が奪われなかったとしても、自分のふるさとやアイデンティティーが奪われていく。これがウクライナで起きていることです」

(4月25日放送『news zero』より)