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韓国・梨泰院転倒事故から約1年 AI活用…“安全への意識”に変化も 悲劇を繰り返さないために

2023年10月26日 17:18

ハロウィーンの群衆の中で150人以上が亡くなった韓国・ソウル梨泰院の転倒事故から1年がたとうとする今、韓国社会で安全への考え方が徐々に変わり始めています。

   ◇◇◇

転倒事故からまもなく1年。韓国・ソウルの梨泰院では、ハロウィーンの雰囲気がほとんどなく、飾り付けも見当たりません。事故が起きた梨泰院には26日、遺族らが集まりました。

現場となった細い路地。去年10月29日の夜、ハロウィーンの仮装をした大勢の人たちが密集した状態で次々に転倒し、日本人2人を含む150人以上が死亡しました。

娘を亡くした李孝淑(イヒョスク)さん
「二度とこのようなことがないようにしてほしいです」

李孝淑さんは二女の主喜さん(30)を亡くしました。

李さん家族は今週、主喜(ジュヒ)さんが眠る墓地を訪れました。もう抱きしめることのできない我が子。悲しみが癒えることはありません。

娘を亡くした父・丁海文(チョンヘムン)さん
「きのうのことのようなのに、もう1年になろうとしているね」

母・李孝淑さん
「最後のあいさつ一言残さずに、去ってしまってどうするの」

あの日、両親はニュースで梨泰院での事故を知り、主喜さんに連絡しました。返事がなかったため梨泰院に駆けつけ、主喜さんを捜し回りましたが、対面したのは病院の安置室。すでに息を引き取っていました。

李孝淑さんが見せてくれたのは、片方だけの靴。

母・李孝淑さん
「うちの子がその日仮装をして履いた最後の靴なんです」

楽しいはずだったハロウィーンは最悪の結末になりました。

梨泰院の転倒事故では、警察や自治体などが安全対策を怠ったとして、管轄の警察署長や区長など18人が起訴されています。ただ、李さんら遺族は真相の究明や責任の追及が不十分だと訴え続けています。

父・丁海文さん
「処罰される人が処罰を受け、別の犠牲や惨事を未然に防ぐべきです」

   ◇◇◇

事故のあと、韓国では安全への考え方が変わり始めています。

今月7日、100万人以上が訪れた花火大会ではフェンスが設置され、人の動きが管理されていました。梨泰院の事故を受け、今年は警備を大幅に強化し、警察や主催者側で去年より3割多い、8000人近くを動員しました。

密集度が高まれば、いったん通行を制限して人の流れを分散。来場者が向かいたい場所にたどり着きづらい状況も発生しましたが、ほとんどの人が指示に従っていました。

来場者
「(梨泰院の事故があったから)今もすごく心配ですし、今もすごく怖い」

また、ハロウィーンを前に、25日には大勢の人を誘導する訓練も行われました。新たに人工知能(=AI)を活用し、監視カメラの映像を分析。自動で危険を感知するシステムを今年のハロウィーンから稼働させることにしています。

梨泰院の悲劇を決して忘れず、二度と繰り返さないために対策が急がれます。