ヘンリー王子“盗聴裁判”に出廷し「ボイスメッセージをハッキングされた」と証言 英メディアは「異例の事態」と大きく報じる
イギリス王室を離脱したヘンリー王子は、6日、個人情報を盗まれたとして地元メディアなどを相手取った裁判に出廷し、「ボイスメッセージをハッキングされた」と証言しました。イギリスメディアは、国王の実の息子が裁判で証言をすることについて「異例の事態だ」と大きく報じています。
イギリス・ロンドンで6日に開かれたのは、ヘンリー王子らが地元メディアの「デイリー・ミラー」紙などから盗聴などの違法な手段で個人情報を盗まれたとして、出版元を相手取った民事裁判です。
前日の5日も裁判は開かれ、出廷を求められていたヘンリー王子が欠席したことから波紋を呼んでいましたが、6日、ヘンリー王子はスーツ姿で出廷しました。
イギリスメディアによりますと、ヘンリー王子は裁判の冒頭で、裁判官から敬称として使われる「殿下」と呼びかけられていましたが、ヘンリー王子は「殿下」ではなく、「ヘンリー王子」と呼んでほしい旨を伝えました。
その後、ヘンリー王子は、盗聴などについて、およそ50ページにおよぶ陳述書を提出しました。その中で、全寮制学校に通っていた頃から携帯電話を持っていたとした上で、「当時はまだテキストメッセージが一般的ではなかったのでボイスメッセージを残したり受け取ったりしていた。そのうち、ボイスメッセージを聞く前に、開封済みになっていたり、聞いていないボイスメッセージが勝手に消えていたりすることがあり、こうしたボイスメッセージは、被告側からハッキングされたと考えている」と証言しました。
一方、ヘンリー王子が親指を骨折した際の王室関係者との詳細なやり取りが報じられたことをめぐり、被告側の弁護士から「具体的に誰の電話がハッキングされたと考えているのか」と問われると、ヘンリー王子は「医者の電話でしょうか。確信はありません」と答え、被告側の弁護士が「完全な臆測ではないか」と詰め寄る場面もありました。
イギリスメディアは、「陳述書に書かれていることはヘンリー王子の見解であって、証拠ではなかった。今後、法廷で事実関係が検証されるだろう」と報じています。