チョルノービリ原発 福島大の研究室から“実験器具”などが奪われる
ロシア軍に占拠されていたウクライナのチョルノービリ原子力発電所の研究施設にNNNのカメラが入りました。施設内には日本の福島大学の研究施設があり研究者らは、現在も放射線の安全性について心配だと話しています。
ロシア軍が1か月あまり占拠したウクライナのチョルノービリ原発。周辺には日本の福島大学を中心とした研究室もありますが、部屋からは実験器具などが奪われたということです。研究に携わった福島大学の難波教授。今回取材した映像を見ると…。
福島大学・環境放射能研究所・難波謙二所長「コンピューターとか、ミーティング用のプロジェクターがおいてあったはずなんですけど、それがなくなっていますね。ロシア兵が個人的な資産にしようと盗んでいったんじゃないか」
そして、チョルノービリ原発事故直後から長年、この地で研究を続けてきたジェレズニヤク研究員は…。
福島大学・環境放射能研究所・マーク・ジェレズニヤク研究員「ロシアはモスクワなどの大都市から、このエリアに兵士を派遣しようとはしないでしょう。このエリアに来ているのは、非常に貧しい地域からの兵士だと思う。(現地には)日本にやってくるまでに、一緒に働いていた多くの同僚がいます。第一に同僚たちのことが心配です。現地では放射線をモニタリングするシステムが動いているので、その数値があがっているのを見ると科学者として安全性が心配になります」
福島大学・環境放射能研究所・難波謙二所長「(新シェルターなど、高線量の放射性物質を格納している)建物を壊すことで、放射性物質の拡散がまた起きてしまう。(ロシア兵が)そういう予備知識もないまま入ってるように見えるというのは、非常に危険なことだろうと思います」
そして難波教授は今後の復旧についてこう話しました。
福島大学・環境放射能研究所・難波謙二所長「安全上の理由で、やはりこれを優先的に、線量計のモニタリングシステムは復旧させないといけないと思っています」
難波教授らは、現地に入ることができないなか、日本から機材を送るなどして現地で働く人々を支援していくと話しています。