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“プーチンファンクラブ”見る人も…ウクライナへの軍事支援“反対”…ドイツでデモ頻発 “世論の分断”ロシアが画策か 

2023年2月23日 19:11

ロシアによるウクライナ侵攻からまもなく1年。ドイツでは、ウクライナに対する軍事支援に反対するデモが頻発しています。その背後では、欧米各国の世論の分断を画策するロシアが、ひそかに糸を引いていました。ドイツ・ケルンで行われているデモの中心人物を取材しました。

   ◇◇◇

ドイツ南部の主要都市ミュンヘンで18日、ウクライナ情勢などの安全保障に関する国際会議が開かれました。各国の要人が続々と集まる中、街の一角にはデモ隊の姿がありました。

デモの参加者
「ドイツが武器の輸出や戦争を続けるべきでないことは明らかだ」
欧米各国はウクライナに対する大規模な軍事支援を続けていて、ドイツも先月、主力戦車「レオパルト2」をウクライナに供与することを決めました。デモ隊はこうした軍事支援は、かえって戦火を拡大するものだと主張しているのです。

同様のデモはドイツ国内で頻繁に起きています。ドイツ・ケムニッツでは先月、ウクライナへの軍事支援に反対するデモ行進で、ロシア国旗を掲げる人の姿が見られました。

デモの参加者
「(侵攻をめぐって)どちらか一方につかなければいけないということが、人々には理解できないのです」

最新の世論調査では、ウクライナへの軍事支援に対して、賛成と反対が拮抗(きっこう)しています。専門家は、ロシア側がこうしたデモを利用し、西側諸国の世論を分断しようとしていると分析しています。

アイズ・オン・ロシア シニア調査官 ベレン・ロドリゲス氏
「(侵攻後)ロシアはより強い表現を使い、幅広いSNSのプラットホームでプロパガンダを展開するようになっています。間違いなく、そうして西側諸国の結束を乱そうとしています」

実際にデモ隊の参加者を取材すると、ロシア側が発信するSNSの影響を強く受けている実態が浮かび上がってきました。

デモに参加するディルクさんは、SNSのアカウント“プーチンファンクラブ”を毎日見ているといいます。そこには“ウクライナ東部の親ロシア派地域を守るために侵攻した”とするロシア側の主張が書かれていました。

デモの参加者 ディルクさん
「プーチン大統領はこの侵攻を『国境を守るための特別軍事作戦』と呼んでいると書かれています」

他にも投稿を見てみると、親近感を抱かせるためなのか、バレンタインデーにはプーチン大統領が、ハートマークを作る動画もありました。

デモの参加者 ディルクさん
「私は彼(プーチン大統領)の言うことは、とても正しいと思っています」

ディルクさんのまわりでも、こうしたアカウントの投稿を見る人が増加していて、やがてウクライナへの軍事支援に疑問を持ち、デモに加わるようになるといいます。

ロシアの専門家がさらに注目しているのは、ロシア側の主張を代弁する、いわば“代理人”の存在です。

   ◇◇◇

ドイツ西部の都市ケルンで出会ったのは、コルバスニコワさんとシュルントさん夫妻。2人ともロシアとのつながりが深いウクライナ東部の出身で、ケルンで行われているウクライナへの軍事支援に反対するデモの中心人物です。

侵攻開始後には、プーチン大統領が一方的に併合を宣言したウクライナ東部を訪問し、その時の様子をSNSに投稿しました。

ウクライナ東部出身 コルバスニコワさん
「本当にドイツからの武器でこうなったのです。ウクライナの市民、今はロシアの市民ですが、その人たちが殺されているのです」

ロイター通信はこの訪問の際、プーチン大統領に味方するチェチェン系の組織が金銭的援助を行ったと報じています。

アイズ・オン・ロシア シニア調査官 ベレン・ロドリゲス氏
「ロシアはSNS上でロシア寄りの発信をしている人物を利用し、より過激な言動をとらせるよう試みているのです。そうした人々は間違いなくロシアの“代理人”と言えるでしょう」

夫妻は私たちの取材に対し、ロシアの“スパイ”であることを明確に否定しました。しかし、ドイツの公安当局は、夫妻をロシアとつながりのある関係者と認定して、監視対象においています。

戦闘の長期化とともに、国際世論も巻き込む巧妙な情報戦が展開されています。