そのCEOは「もはや神」──エヌビディア、世界2位の時価総額 “アップル超え”470兆円 圧倒的な「9割シェア」の理由
藤井貴彦キャスター
「巨人と言われて久しい、あのアップルを超えた企業が出てきました」
「アメリカの半導体大手『エヌビディア』です。時価総額が約3兆118億ドル、日本円で約470兆円となり、アップル(約3兆35億ドル)を抜いてマイクロソフト(約3兆1514億ドル)に次ぐ世界2位となりました。どんな会社なのでしょうか?」
小栗泉・日本テレビ解説委員長
「トップは、台湾系アメリカ人のジェンスン・フアンCEOです。黒い革ジャンがトレードマークで、去年(日本の)官邸を訪れた時も、この出で立ちでした」
「タートルネックがトレードマークだったアップル創業者のスティーブ・ジョブズ氏はカリスマの異名を取りましたが、フアンCEOはもはやカリスマを通り越して『神と呼べる存在だ』という声まであります」
小栗委員長
「チャットGPTといった生成AI向けの半導体にすごさがあります。半導体に詳しい楽天証券経済研究所の今中能夫チーフアナリストによると、そのシェアは世界で9割を誇ります」
「その特徴は、まず圧倒的に使いやすいということ。性能も、マネしようと思っても他の会社はとても及ばないといいます。今ではFacebookなどを展開するメタなどのAI開発企業が、こぞってエヌビディアの半導体を奪い合う状態になっています」
「ここまで圧倒的なシェアをとると、どんな値段でも売れます。つまり価格決定力を持つということで、業績は上がる一方です」
藤井キャスター
「生成AIに革命を起こしたということは分かりましたが、私たちの生活や日本への影響はどんなものがあるのでしょうか?」
小栗委員長
「エヌビディアの業績と株価が強烈に伸びているため、半導体に関連する国内メーカーの株も買われ、日本の株価を押し上げています」
「去年12月にはフアンCEOが当時の西村経済産業大臣と面会し、日本にエヌビディアの研究開発拠点を設置する方針も示されたということです」
「今中さんによると、生成AIに関する半導体などの需要は、2027年まで年率70%で成長すると予測されています。マイクロソフトを超えて世界1位になるのも時間の問題だと、今中さんはみています」
藤井キャスター
「エヌビディアという企業はご存知でしたか?」
シシド・カフカさん(ミュージシャン・『news zero』木曜パートナー)
「知りませんでした。生成AIが伸びて日本の雇用が生まれる、という面もあるのだと思いますが、犯罪に使われないのかなと気になってしまいますし、便利になるばかりでいいのかな、とは思ってしまいます」
「そして使う側の人間が賢くならなければいけないと、おしりをたたかれている気分になりますね」
藤井キャスター
「そうですね。いわばツールですので、私たちがどのように上手に使っていくかということも、あわせて考えていかなければなりません」
(6月6日『news zero』より)