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イスラエル軍報道官「いまも212人が人質」 地上戦で救出想定の訓練…家族らは解放求め抗議デモ

2023年10月22日 18:52
イスラエル軍報道官「いまも212人が人質」 地上戦で救出想定の訓練…家族らは解放求め抗議デモ

イスラエル・テルアビブから最新情報を伝えてもらいます。

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いま私がいるこの場所でも、毎日のようにハマスによるロケット弾攻撃が続いています。

奥に見える白い建物がイスラエル軍の司令部です。その前では、ハマスによってガザ地区に連れ去られた人質の家族らが解放を訴える抗議デモを続けています。

つい先ほど、イスラエル軍の報道官は、いまも212人が人質になっていると明らかにしましたが、その安否はわかっていません。

地上侵攻が迫る中、ハマスは、イスラエルに対して停戦を要求していて、人質を解放することでその交渉を優位に進める狙いがあるとみられています。

ただ、ハマスの壊滅を掲げるイスラエルは、停戦交渉には消極的で、人質の家族らは、政府に対し、「ハマスとの戦闘より人質の解放を優先させるべきだ」と訴えています。

こうした中、イスラエル軍は、ガザ地区での地上戦で人質を救出することを想定した訓練を行っています。

その訓練拠点とされているのが、ガザ地区を再現した人工の街です。21日に取材しましたが、砂漠の中に突如、現れる街は、ガザ地区と同様、建物が密集していて、イスラエル軍の中では、「ミニ・ガザ」と呼ばれています。そこで最も重要とされているのが、人口密集地で戦闘員と民間人を区別する訓練だということなんです。

ハマスは人質や幼い子どもたちを“人間の盾”として利用するおそれがありますから、そうした事態に向けた訓練を行っているものとみられます。

――ガザ地区以外でも武力衝突が激しくなっていると聞いていますがどうなのでしょうか?

イスラエル軍はガザ地区以外でも、多方面での対応を強いられています。

レバノンからは、イスラム教シーア派組織「ヒズボラ」がイスラエルに対して攻撃を続けていて、先ほども国境付近では、衝突によるものとみられる炎や白煙が確認できるなど、緊迫感が増しています。

また、イスラエル軍は22日、パレスチナ自治区ヨルダン川西岸で、イスラム教礼拝所を空爆したと発表しました。礼拝所は、ハマスと過激派組織「イスラム聖戦」がテロ攻撃を計画し実行するための拠点になっていたということです。

イスラエルが地上侵攻に踏み切れば、中東情勢は悪化の一途をたどることになります。

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