ガザ地区の病院に“空爆”…500人以上死亡か イスラエル軍“ロケット弾はガザ地区から発射”
イスラム組織「ハマス」側は17日、パレスチナ自治区のガザ地区の病院が空爆を受け、500人以上が死亡したと発表しました。一方、イスラエル軍は、ガザ地区から発射されたロケット弾によるものだとしています。
「ハマス」側の発表によりますと17日、ガザ地区北部の病院が、イスラエル軍の空爆を受け、これまでに500人以上が死亡したということです。
これに対しイスラエル軍は、ガザ地区から発射されたロケット弾によるものだと反論していますが、この発表に先立って、エジプトやカタールなどアラブ諸国が非難声明を出したほか、カナダのトルドー首相も「病院を攻撃することは容認できない」と述べるなど、各国から非難の声があがっています。
ガザ地区の人道危機が深刻化する中、ロイター通信などは、ガザ地区とエジプトの間にあるラファ検問所が開放され、支援物資の運び込みなどが開始されると報じました。しかし、イスラエル側が否定していて、今も開放の見込みは立っていません。
こうした中、ドイツのショルツ首相が17日にイスラエルを訪問し、ネタニヤフ首相と会談しました。「ハマス」による大規模攻撃以降、初めての欧米諸国の首脳によるイスラエル訪問です。ショルツ首相は、ガザ地区への人道支援を迅速に実施するための協議を行ったとしています。
一方、アメリカのバイデン大統領は、まもなくイスラエルに向けてワシントンを出発します。18日にネタニヤフ首相と会談する予定で、イスラエルへの連帯を改めて打ち出します。また、軍事支援や人質の解放、ガザ地区への人道支援についても話し合う見通しです。
ただ、その後、ヨルダンで会談予定だったパレスチナ自治政府のアッバス議長が、バイデン大統領との会談をキャンセルしたとAP通信が報じました。ガザ地区の病院への空爆を受け、パレスチナ自治区に戻り、対応にあたるためとみられます。バイデン大統領にとっては出発前から状況が厳しさを増しています。