“非常戒厳”をめぐり、韓国警察は11日に大統領府の家宅捜索に踏み切りました。捜索令状には被疑者として、尹錫悦大統領の名前が書かれていたということです。

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逮捕へのカウントダウン、開始か…。11日午前、韓国の警察が駆けつけたのは、韓国大統領府。尹大統領の“職場”です。その家宅捜索に韓国警察が踏み切りました。

尹政権になってから移設された大統領府。

韓国大統領府のホームページ
「帝王的な大統領制に終止符を打ちます。私たちは国民の意見に耳を傾けコミュニケーションを強化します」

そう掲げてから、2年半。非常戒厳によって、国民を混乱に陥れた尹大統領。現職の大統領逮捕となれば、韓国史上初の事態です。

韓国メディアによると、捜索令状には、被疑者として名前が刻まれ、執務室などが家宅捜索の対象に。

11日、大統領がいるかはわかっていませんが、警察は中に入るのを足止めされていて、まだ入れていないと明らかにしました。軍事機密を扱う場所への捜索が法律で制限されているため、今後も入れない可能性があるといいます。

非常戒厳による混乱から1週間。この一連の騒動を、北朝鮮メディアも11日、初めて報道しました。

北朝鮮メディア
「独裁の銃剣を国民に容赦なく向ける衝撃的な事件が起きた」

「チンピラの群れをはじめ完全武装した戒厳軍を駆り出して、国会を封鎖した。尹錫悦の政治的生命が早期に終わる可能性があると予測しながら、厳正に注視している」

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尹大統領の退陣を求める声が日に日に増している韓国。

韓国・ソウル、10日夜
「（尹大統領は）退陣せよ！」

与党「国民の力」本部前では11日…

西山聡記者（NNNソウル）
「道路の両サイドに多くの人が集まっています。参加者の中には喪服を着た人も多く見られます」

なぜ喪服なのか。聞いてみると…

参加者
「きょうは（与党）『国民の力』の葬式を執り行うために参加しました。『国民の力』は事実上、政党としての機能が終了したと思うので。私が書いたのは『国民の力、苦しみながらお眠りください』です」

尹大統領の退陣に賛成しない与党は、“死んだ”も同然ということでしょうか…。

西山聡記者（NNNソウル）
「いま歌が歌われているんですが、実際に葬式で歌われる歌（お経）だそうです」

強まる批判とともに、逮捕に向けた包囲網もどんどん狭まり、非常戒厳に関与した人物が次々と逮捕されています。

韓国警察は、警察のトップ、警察庁長官と、ソウル警察庁長官を内乱の疑いで緊急逮捕。また検察は、尹大統領の高校の先輩で、非常戒厳を進言したとされる、金龍顕前国防相を逮捕しました。拘置所で自殺を図ったものの、命に別条はないといいます。

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家宅捜索に踏み切ったいま、大統領逮捕まで一気に進むのか。強制捜査が進むとともに、野党は2度目の弾劾訴追案を12日に提出する予定です。