感染対策で食材の“宅配”禁止に 外出制限続く中国・上海
ロックダウンが続く中国・上海で、食材の配達を禁止する通知が出されました。宅配便を通じて感染が広がることを防ぐためだといい、住民が注文した食材が廃棄される光景も見られました。
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上海に駐在する記者のスマホには、地元当局から「ウイルスの侵入を防ぐために、食材を配達してもらうのをやめるように」と書かれた通知が届きました。
外出制限が続く上海では、宅配サービスが市民の“生命線”となっていますが、当局は突然、感染対策のために宅配の利用を1週間止めるよう求めたのです。
宅配を禁止したある団地では、防護服を着た係員が、届けられた食材を次々と廃棄していました。
その一方で、自分で食材を確保しようと、屋上で野菜の栽培を始める人もいました。
記者
「あちらのビルの屋上で何か野菜を植えていますね」
宅配まで、やめさせようとする当局の姿勢に、SNSでは「コロナ対策のためなら、国民が食べられなくなっても気にしないのか」と、批判の嵐になっていました。
ところが、9日朝、記者が自宅マンションの入り口を訪れると…
記者
「今日も宅配便が届いていますね」
マンションの防疫スタッフ
「デリバリーはできるが、自分でここまで取りに来てもらわないと」
市民の反発を受けてか、宅配便の利用は「黙認」状態になっていました。ただ、当局からの明確な説明はなく、市民の混乱が続いています。