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中国の“大規模軍事演習”続く 自衛隊や沖縄駐留米軍も“対象”

2022年8月5日 22:25
中国の“大規模軍事演習”続く 自衛隊や沖縄駐留米軍も“対象”

中国がアメリカのペロシ下院議長の台湾訪問に対する報復と位置づける台湾周辺での軍事演習は5日も続いています。台湾に近い沖縄県の与那国島でも漁を停止するなど日本への影響もでています。

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日本最西端に位置する沖縄県与那国島。ここで漁師をする男性は…

Q.きのう、きょうは漁はしていない?

カジキ漁師
「してないですね、漁協の方からストップがあった。ミサイルが来るので、もしもの場合を考えて」

4日に与那国島からおよそ80キロ離れた海域に中国軍のミサイルが落下しました。こうした事態を受け、漁協が5日、漁の自粛を要請したのです。

カジキ漁師
「台湾問題と尖閣問題は漁師にとっては心配」

台湾でも漁師は漁に出られませんでした。

台湾の漁師
「仕事ができないですよ、危険だから」

台湾の漁師
「40万円以上赤字ですね」

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4日から始まった中国の大規模軍事演習。

記者
「いま何発も大きな音をたてて空に打ち上がっています」

中国で最も台湾本島に近い平潭島では4日、何発も飛しょう体が打ち上げられていました。

5日に再び行ってみると…

記者
「きょうもあちらの海域では軍事演習が行われているんですが、こちら展望台には多くの観光客が訪れ、記念撮影などを楽しんでいます」

ただ、台湾の国防部によりますと、5日も中国軍の航空機や艦船が複数回にわたって台湾周辺で演習を行っているということです。

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アメリカの事実上ナンバー3、ペロシ下院議長が台湾を訪問したことへの“報復”と位置づけられている中国の軍事演習。台湾を取り囲むように設定され、日本のEEZ(=排他的経済水域)も含む6つの地域で7日まで行われる予定です。4日の演習では、弾道ミサイル5発が日本のEEZに落下しました。

5日にペロシ下院議長と会談した岸田首相は、台湾海峡の平和と安定を維持するため、日米で緊密に連携していくとした上で、中国に強く抗議したと述べました。

岸田首相
「中国の弾道ミサイルがEEZを含む我が国近海に落下したことは、 我が国の安全保障および国民の安全に関わる重大な問題であり」

一方のペロシ下院議長は、台湾への圧力を強める中国をけん制。

アメリカ ペロシ下院議長
「中国は今回の訪問を口実として(台湾に)打撃を与えようとしている。しかし、我々の訪問を阻止し台湾を孤立化させることはできないだろう」

軍事演習の狙いについて中国軍に所属する専門家は、日本の沖縄を名指し、日本の自衛隊や沖縄に駐留するアメリカ軍なども対象に含まれるとの見方を示しています。

中国軍に所属する専門家
「演習で重要なのは外国勢力の関与を阻止すること。例えば北側2つの演習区域は沖縄に近い」

そして5日午後、中国外務省は、ペロシ下院議長とその家族について制裁措置を取ると発表しました。