「跡形もなくめちゃくちゃ」戦闘の最前線となった村 ≪記者リポート≫
ウクライナの首都キーウ近郊まで迫っていたロシア軍の撤退からおよそ1か月。戦闘の最前線となった村を取材しました。
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戦闘の爪痕が残るブゾワ村。ウクライナ軍の兵士が案内してくれた場所に向かうと、ウクライナ軍が撃墜したというロシア軍のミサイルが、民家のすぐそばに残っていました。
キーウからおよそ35キロのブゾワ村は、首都陥落を狙うロシア軍を食い止める“防波堤”となり、激しい戦闘が行われました。村にある学校も、砲撃により大きな被害を受けました。
ブゾワ村の住民「学校の地下に子供が避難している時に攻撃したんです」
村の住民は、生徒が学校の地下シェルターに避難している時に、ロケット砲などで執拗(しつよう)に攻撃をしたといいます。学校のコンピューター室だったという教室は、砲撃を受けたのか、跡形もなくめちゃくちゃになってしまっていました。
激しい戦闘のさなか、この村では、少なくとも50人以上が死亡しました。
息子を失ったというビクトリアさん。ビクトリアさんの息子は、避難する住民を車に乗せて助けていたところ、攻撃されたといいます。
ビクトリアさん「息子が乗る車が3度砲撃を受けたのです。最初に息子が殺され、その後の砲撃で夫の母親と兄弟も死にました。私が経験したつらい思いを、ほかの誰にも経験してほしくない」
ロシア軍の侵攻は、平穏だった小さな村にも深い傷痕を残しています。